ブックタイトル未来へつなぐバトン 千代田区戦争体験記録集

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概要

未来へつなぐバトン 千代田区戦争体験記録集

んかを子供たちにあげていました。どこでも子供はかわいいんですね。──配給では砂糖をバケツ1杯もらうこともあったとうかがいました。米軍からの配給でお米が間に合わなかったらしく、バケツ1杯のお砂糖が届きました。甘い物が不足していますから嬉しいですけれども、バケツ1杯もらってもね(笑)。それから小麦粉も届きましたね。懇こん意いのパン屋さんが「持っていらっしゃいよ、パンにしてあげるから」と言ってくれたので、その小麦粉は頼んでパンにしてもらいました。そうやって、なんとか命をつなぎました。──貴重なお話をありがとうございました。最後に今の若い世代へぜひメッセージをお願いします。戦争を経験してきて思うのは、戦争でいったい誰が得するのだろうということです。戦争というものは誰もが得することではない。平和がいちばんです。二度と戦争を起こさないでほしい、平和な世の中を継続していっていただきたいと思います。するためにやはり飛行機がまいていたものです。──8月15日、終戦を迎えたときのことを教えてください。玉ぎょく音おん放ほうそう送はラジオで聞きましたか。幸いラジオはありましたので、防空壕のなかで陛へい下かのお言葉を聞きました。戦いをやめるということをおっしゃいましたから、二重橋の前でひれ伏した人もけっこういたようです。終戦になっていちばん嬉うれしく思ったのは、明るくなったこと。夜は電気にカバーをかけ、灯あかりが漏もれないよう下だけ照らしていたんです。カバーを全部外したら明るくなって、それがもういちばん嬉しかったです。やっぱり、明るいということはいいことですね。──理髪店を再開したのはいつ頃ですか。そのうち、バラックの配給が始まりました。たしかお金は少し払ったかと思いますが、希望者は申し入れをすることができました。簡単なバラックですから、素人が組み立てられるような建物です。私には大工の友達がいましたし、さらに3丁目の材木屋が「材木いるなら持っていきな」と太っ腹なことを言ってくれるなど、いろいろと恵まれていました。雨あめつゆ露をしのぐ程度ですがお店と住まいを作らせてもらい、理髪店も再開しました。──終戦後、アメリカの兵士はこのあたりも来たのでしょうか。ジープに乗って来ていましたね。子供たちが手をふると、ジープを停めてチョコレートやな写真左から、内藤さん、根岸さん、泉さん115未来へつなぐバトン千代田区戦争体験記録集第2部体験記暮らし