ブックタイトル未来へつなぐバトン 千代田区戦争体験記録集

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概要

未来へつなぐバトン 千代田区戦争体験記録集

私がお話を聞かせていただいたのは、第二次世界大戦時、最前線で戦った経験のある方でした。お会いする前は、どんなお話をどのように語っていただけるのだろうかと、内心、かなり悲惨な語り口調を思い描いていました。けれど、実際に話していただくと、自分のそういった予想が、すでに平和な世の中で育ってきた人間の感覚なのだな、と痛感しました。戦争を体験した人の中では、私たちがとても信じられないと思うようなことが、当たり前の感覚になっているように感じ、「この話は実際体験しないと、話を聞いても分からない」と言われたことに、返す言葉がなかなか見つかりませんでした。戦争の悲惨さを肌で感じていた人々と同じ感覚で、平和な世界を継続させよう、と考えるのはこの先の世代では難しいことと思います。戦争を体験していない私たちは、戦争を知らない、ということの恐ろしさをもっと重く受け止めれば、また違った感覚で、語り伝えられた話や映像などをもとに、平和な世を構築していけるのではないかと考えます。今後の日本の未来を作る人間の一員として、今回の経験を色々な人へつなげて広められたらと思います。伊藤爽いとうさや区内在学高校3年生集まった中学生から30代までの皆さんは全5回の事前セミナーを経て、戦争体験者への取材ごとにチームを組みます。それぞれが「聞きたいこと」を調べたり、資料にまとめたりして、平成27( 2015)年7月?8月にかけて「太平洋戦争当時、千代田区で何が起こっていたのか」を知るために26名の戦争体験者にインタビューを行いました。「千代田区戦争体験記録集」のインタビューを終えて182未来へつなぐバトン千代田区戦争体験記録集