ブックタイトル未来へつなぐバトン 千代田区戦争体験記録集

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概要

未来へつなぐバトン 千代田区戦争体験記録集

駐ちゅう在ざいしました。そこで電線の補修などを行っていました。前線はその先にあり、通信が必要な時は私たちのいる基地まで戻ってくるわけです。──そこでは、どんな生活でしたか。300人ほどの村なのですが、最初の頃はおばあさんばかりで若い女性がまったくいなかった。後で聞いたら、日本兵が悪さをするかもしれないというので山に隠れていたそうです。それで夜になると、こっそり戻っていたと。──日本軍は怖がられていたんですね。ただビルマ(ミャンマー)も、仏教国でしょう。私は家から御守りの小さい仏像とお経を持って来て、自分の部屋へ置いて毎朝お経をあげていたんですよ。それを、私の身の回りの世話をしてくれていた村のおばあさんが見て、親近感を持ってくれたんでしょうね。それから徐々に気安くなってきたのか、少しずつ女の子たちも村へ戻ってきました。──言葉はどうしたのですか。向こうはビルマ語ですから、最初は身ぶり手ぶりです。そのうち「これは米という意味だろうな、仏像を拝むと言っているんだな」などと推測して覚えていったんです。──食べ物はどうしていましたか。米や味噌は持って行きましたし、野菜なども補給された。その米と向こうの食べ物を交換したりしました。暑い地方だから家が高床式なんだけど、床の下でニワトリをたくさん飼ってい昭和18年5月に独立有線第92連隊に召集142未来へつなぐバトン千代田区戦争体験記録集