ブックタイトル未来へつなぐバトン 千代田区戦争体験記録集

ページ
173/214

このページは 未来へつなぐバトン 千代田区戦争体験記録集 の電子ブックに掲載されている173ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

未来へつなぐバトン 千代田区戦争体験記録集

ければいけない、避けなければいけない。殺さなければ殺されてしまうというような切せっぱくかん迫感で戦争は起こるわけですから。もうあの戦争のときのような思いはしたくない、それから腹はすかせたくないというと平和しかありません。「平和を」と声高らかに叫ぶより、「死にたくない」「飢えたくない」という思いを確実にしていくことが、殺さない、殺されないというところにつながるのではないでしょうか。結局は人を愛するということだと思います。それがきちんとできれば、戦争は避けられると思っています。髙野この戦争で多くの尊とうといお命が亡くなっていることは事実です。これからは、愚おろかな戦争は絶対するべきではない。いろいろな問題がありますが、日本は立派な国だし、立派な人間がたくさんいるのだから、もう二度と馬鹿なことはしないでほしいと思います。戦争で亡くなられた方のご冥めいふく福を祈るとともに、私たちもまだまだ一生懸命頑張っていこうと思っていますから、若い皆さんもしっかりとこの日本という国を守っていただきたいと切に思います。たところではないですか。でも、私たちもあとで勉強して分かってきたことで、そのときは分かってないんです。だから、いろんな意味で幅広く勉強しないとだめですね。二度と戦争を起こさないために──皆さんの経験をふまえて、私たち若い世代に何かメッセージをいただけないでしょうか。小林私たちは戦争で悲ひ惨さんな目に遭あいましたが、大切なのは戦争を起こさないようにしていかなければいけないということです。それが今の世の中、ちょっと危うい雰囲気になっているように思います。なかなかきれい事ではいかないと思いますが、日本は民主主義の国ですから、個人個人が、特に若い人が、自分でものを考え、自分で行動するということが大事だと思います。三村戦争は決してすべきではないけれども、自分たちを守ることも必要だと思います。いざというときに、どこまでアメリカが守ってくれるか分からない。そして、外交は五ごぶ分に行うべきだと思っています。榎本私はときどき戦争の体験を若い人たちにお話しする機会があります。なぜ戦争の話をするのかというと、殺し合いの結末がこういうふうになったということを伝えていきたいんですね。殺し合いの結果、ひどい目に遭ったのは誰かということです。殺し合いはとにかくやめな写真左から、安田さん、三村さん、西山さん、髙野さん、榎本さん、長嶋さん、小林さん169未来へつなぐバトン千代田区戦争体験記録集第2部体験記座談会