ブックタイトル未来へつなぐバトン 千代田区戦争体験記録集

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概要

未来へつなぐバトン 千代田区戦争体験記録集

とを、改めて知ることができたし、今の平和の大切さを知ることができました。横山僕は、継けい承しょうしていくことの大切さを感じました。こういう活動をしていると、「珍しい」と学校の友達にも言われてしまう。でも海外だと、中高生でも自分たちで戦争体験者の話を聞く活動を行っていると聞きます。今回インタビューに参加して、実際に話を聞くことで、文章や数字だけでは分からない、多くのことが学べると実感ができました。長嶋今回初めて戦争体験を語ったという人に、「なぜこれまで話さなかったのですか?」と聞いたら、「誰にも聞かれなかったからだ」と言われてドキッとしました。確かに僕たち後の世代の人間が積極的に聞いていかなければ、継承されない体験もきっと多いのだと思さんの防ぼうくうごう空壕が掘られていたそうです。角田さんは、空襲の時にそこへ逃げ込んだ人が亡くなったのを見てしまったそうです。長嶋防空壕に入ったがために、逆に命を落とした話はけっこうありましたね。安田空襲のときに「軍の近くに逃げれば安全だろう」と思ったら、逆だったという話もありました。よくよく考えれば、敵機は軍の施設をめがけて爆撃するのだから狙われて当然なのでしょうけれど。横山結局はその場その場での、自分の判断がいちばん大事なんだと僕は思いました。石川インタビューを通じて、皆さんがいろいろな視点から物事を考えてくれたことを嬉うれしく思います。体験者の方々も、若い皆さんと話ができて嬉しかったのではないでしょうか。三輪田インタビューの最後に、「お話しできてよかった」と言ってくださる方が多かったです。安田熱のこもったお話からも、「今ここで話しておかなければ」という、強い思いが伝わってきました。石川あらためて、今回の経験を通じた皆さんの感想を教えてくれますか。三輪田全部で5人の方にインタビューをしたんですけど、どの人も「戦争はやめたほうがいい」ということを繰り返していました。本当に戦争は何もいいことがないんだってこ安田教育ということで私がすごく印象的だったのは、小学校1・2年のときに終戦を迎えられた小林東太郎さんが、「翌日から先生の言ってることがぜんぜん違うというのが、すごく衝撃的だった」と語っていたことです。その体験をきっかけに、少なからず人にんげん間不ふ信しんに陥ったとまでおっしゃっていました。石川それまで使っていた教科書に、墨を塗ったのですからね。それは衝撃的だったでしょう。横山価値観というと少し違うかもしれないのですが、インタビューした角田実さんのお話が印象に残っています。当時は道端にたく198未来へつなぐバトン千代田区戦争体験記録集