ブックタイトル未来へつなぐバトン 千代田区戦争体験記録集

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概要

未来へつなぐバトン 千代田区戦争体験記録集

田区の平和教育のように現地へ行った経験を心に刻むことが大切です。そうして自分たちなりに感じたこと、考えたことをお友達や家族、できれば年下の後輩たちにも伝えてほしい。この先結婚して、お子さんや孫が出来たときにも、「昔こんな人に会ってね」と話してもらいたいのですよ。全員(笑)。石川今回もそういう気持ちでお願いしました。あらためて、大変な経験とご苦労を経たことに感謝します。ありがとうございました。石川戦後70年の間に、日本は平和な社会を保っています。戦争体験者の方々は、戦争で命を落とした多くの人の命のうえに、その平和が築かれていることをご存じです。だからこそ、若いインタビュアーの皆さんに「自分たちの思いを分かってほしい」「事実を伝えたい」という気持ちが強いのだと思います。たくさんお話ししてくださる方が、多かったのではないでしょうか。安田私たちもつい引きこまれて、予定の時間を過ぎてしまうこともありました。石川前回(平成9年)に『語りつぐ平和への願い(千代田区戦争体験記録集)』を作ったときは、インタビュアーに若い人を選ぶことはしていなかったのです。長嶋そうだったんですね。少し意外な気もします。石川しかし戦後70年の今回は、皆さんのような次の世代を担う人たちにぜひ、お願いしたかった。「顔を合わせて話を聞く」という経験は、やはり心に残ります。教科書や資料からは得られない学びがあるはずです。次の時代や社会を築いていく若い皆さんが、平和の尊さや、戦争はどういうものかということを少しでも分かって、未来にわたって平和な社会を築いてもらいたい。戦争は最終的に、人間が決めることですからね。横山はい。石川それには経験者の話を聞いたり、千代います。安田私は、ご近所関係の大切さをあらためて考えさせられました。空襲で何もかも焼けてしまったけれど、バラックで何とか店を再開したら、お客さんが戻ってきてくれたばかりでなく、「元どおりに開いてくれてありがとう」と感謝されたと。人と人とのつながりって、いいものだなあと思いました。石川皆さんの世代は、メールなど直接に顔を合わせないコミュニケーションが当たり前になっていますよね。ですから今回のインタビューのように、面と向かって誰かとじっくり話をする体験はなかなか少ないのではないですか。横山そうですね。今回も、グループ内での事前の打ち合わせはほとんどがメールでした。取材の日に初めて顔を合わせたという人が、何人もいました。石川そうした皆さんにとっても、「自分たちの体験を伝えたい」という思いを持った体験者の方とお話しする機会は、とても貴重な心と心のつながりになると思います。横山「自分たちの志を伝えてほしい。体験を次の世代に伝える担い手になってほしい」とおっしゃる方もいました。そのためにも、辛かったとか悲しかったという感情だけでなく、こういうことが実際にあったのだという事実をしっかりとお話しくださったのではないかと思います。199未来へつなぐバトン千代田区戦争体験記録集第4部千代田区の誓い