• 文字の大きさ・色を変えるには
  • 音声読み上げ
  • English
  • 中文
  • 한글
  • 千代田区コールセンター
  • 電話 03-3264-3910 年中無休 朝8時から夜9時まで

ホーム > 区政 > ようこそ区長室へ > 区議会招集挨拶 > 平成21年第1回千代田区議会定例会 招集挨拶

ここから本文です。

更新日:2009年2月26日

平成21年第1回千代田区議会定例会 招集挨拶

平成21年第1回区議会定例会の開会に当たり、私の区政運営における所信を申し上げます。

はじめに(区政運営3期目のスタートにあたり)

区政運営の基本

私は、去る2月1日に行われました千代田区長選挙におきまして、多くの区民の皆様のご信託をいただき、栄えある千代田区長として3期目の区政運営を務めさせていただくことになりました。
改めて、日本の首都、東京の顔、千代田区の舵取りを任され、その責任の重大さに身の引き締まる思いがしております。
さて、私の人生は、地方自治一筋に45年間勤めてまいりました。その間、果たして、如何ほどのことを為し得たのか、振り返り、今からでも遅くないとの思いから、真の自治の実現に向け、惰性や慢心に陥ることなく、初心に立ち帰り区民の一人として常に区民の皆様と共にあることを片時も忘れることなく、区政運営に取り組んでまいります。

(1)3つのC「チェンジ」「チャレンジ」「クリエイティブ」について

私が区長に初めて就任した8年前は、21世紀の幕開けの年でありました。3つのC「チェンジ」「チャレンジ」「クリエイティブ」を掲げました背景には、戦後見事に復興を遂げた我が国の中央集権型の社会システムが、本格的な少子高齢社会の到来などにより、あらゆる面で制度疲労を起こしていたことが挙げられます。
このことから、従来のシステムを創り変える必要があると考えました。改革の視点は「分権型社会」への転換であります。その始動は、千代田区こそ最も相応しい自治体であると認識しております。
千代田区は、霞が関、永田町の国家中枢、丸の内、大手町の経済中枢、秋葉原のIT拠点、神保町の書店街、小川町のスポーツ店街、お茶の水の学生街など、様々な代表機能があり、社会・経済活動などが活発に行われております。

(2)共生社会の実現について

また、千代田区は、多くの人々が働き・学ぶ、他の自治体にはない特徴を有しております。膨大な昼間人口や外来者と夜間人口が、互いの違いを乗り越え、千代田区のより良い地域づくりを進めていく、その基本の考え方は、共に生きる「共生」であり、あらゆる施策を貫く理念であります。
具体的には、生活環境条例の取り組みがあります。まちをきれいにしたいという思いが、区民、在勤者、学生などが共に行動し、禁煙者と喫煙者との違いをお互いに認め合いながら、共に生きる「共生」の考え方に基づき、公共空間でのルールを作り上げてまいりました。
この条例は、「共生社会」を実現する上で、従来の考え方―取り締まりは警察が中心という考え方を180度転換し、区が過料を科すもので、そこに3Cの考え方の基本があります。
また生活環境条例によるパトロールなどを通じ、地域を構成する人々が、より良い千代田づくりのための相互の絆に発展してきました。
こうした取り組みは、住民等が行政に対して「何をしてくれるのか」という受身の姿勢ではなく、「自ら何をするか」という協働参画の社会づくりへと発展し、真の共生社会づくりにもつながるものと考えております。
さらに、千代田区の町会組織は、企業や学校など比較的行政と距離のある組織を包含しており、地域活動と行政とのつながりを作る連結器のような重要な役割を担っており、生活環境条例の継続的な取り組みの牽引者となっております。
町会の活動が、「協働参画」・「共生社会」実現にとって重要な役割を担っており、引き続き区政の場から多様な支援をしてまいりたいと考えております。

(3)「地方分権」から「地方主権」へ

本区は、夜間と昼間人口の差が約20倍もあり、国税の約10%、都税の約16%の財源を生み出しております。世界でも類例のない自治体千代田区が、21世紀の分権型社会づくりの変革メッセージを送り続け、このことが他の基礎的自治体へ連鎖し、日本社会全体の分権型社会づくりが実現されると考えます。
地域自らが知恵と力を結集して、分権型社会づくりに向うことが、日本の社会全体が真に豊かな国へと発展するものと確信しております。
地方の時代が、過去にも何度となく論じられながら、中央集権型システムという厚い壁に阻まれてきました。
私たちは、国から地方へ単なる財源や権限の移譲を受けるだけでなく、自らが主体性を持ち行動や政策を展開すること、即ち「地方主権」を目指すべきであります。
第二次地方分権改革推進委員会でも言われているように、地方が主役となるべき時代であります。
改めて、区政運営の基本の中で3Cの考え方を申し上げたのも、こうした認識を持っていたからであります。
具体的に申し上げれば、平成14年4月から全国で初めて幼稚園と保育園の枠を超えた新しい幼保一元化施設「いずみこども園」を創設しました。
少子化時代にあって、保育園・幼稚園という別々の二つの施設のみなのか、何故、保護者の就業形態だけで、子どもを育成する施設を二分しなければならないのか、何故、「保育に欠ける」子どもだけでなく、「保育を必要とする」子どもも育成できないのか、子どもの目線で考え、積極的に住民ニーズに応えるための解決策が第三の道としての「こども園」の創設でありました。
千代田区のこうした取り組みに、全国の自治体が注目し、幼保一元化が一気に進展しました。
こうした地方からの発信・発言に、文部科学省・厚生労働省も重い腰を上げ、行政の縦割りの壁を取り崩すことにつながり、平成18年に幼保一元化を認め、認定こども園制度が法制化されました。
福祉施策やまちづくり施策の分野においても同様に進めてまいりたいと考えております。

(4)強い財政について

当然のことながら、こうした権限の行使には義務と責任が伴います。
私は、区民の皆様に質の高い行政サービスを、継続的かつ安定的に提供していくためには、「強い財政」の構築が必要不可欠であると申し上げてまいりました。真の地方主権を確立していくためにも、区自らの判断と責任で、時には倹約し、真に必要な施策に予算を重点配分していくという、自主・自律した財政運営に取り組まなければなりません。
私が区長に就任した当時、特別区民税、特別区たばこ税、軽自動車税の、毎年必ず収入される自主財源の大部分が、職員の人件費と施設の維持管理経費に消費されているという実態がありました。
このため、第三次長期総合計画とあわせて、行財政構造改革推進大綱を策定するとともに、区議会のご議決を得て、平成14年3月、「行財政改革に関する基本条例」を制定しました。この条例の中で、「強い財政」の達成度を測る「ものさし」として、経常収支比率85%程度、人件費比率25%程度という2つの財政指標を定めました。
現在の急激な景気の減速は、早晩、本区財政にも影響を及ぼすことが予想されますが、引き続き行財政の簡素・効率化に取り組み、「強い財政」を構築することで、千代田区の特性を最大限に活かした独自の施策を継続的・安定的に提供してまいる所存であります。

(5)マニフェストを着実に実現

次に、今般の区長選挙にあたり、初めてマニフェストを発行させていただいたところです。私は、千代田区に求められる真のサービスを、三期目に掲げたマニフェストに沿って、福祉・環境・次世代育成・地域コミュニティ・安全安心のまちづくり・区政改革の分野で着実に一歩一歩実現してまいります。
しかし、この実現に向けては、区議会の皆様をはじめ、区民、企業、そして多くの人々の協力が不可欠であります。これまで以上に私に力を貸していただき、千代田区を更に魅力ある自治体に創り上げてまいりたいと考えておりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
それでは、私が今後4年間に取り組む初年度として、区政を担う立場から私の区政運営の所信を申し上げます。

I 平成21年度予算(案)について

まず、平成21年度予算(案)について申し上げます。
平成21年度の予算編成にあたっては、昨年7月下旬に予算編成方針を示し、編成作業に着手しました。
私は、一貫して「共」に「生」きる『共生社会』の理念にもとづき、区政運営にあたってまいりました。
平成21年度の予算においても、編成方針の第一番に、千代田区を構成する人々と行政が共に手を携えて暮らしやすい地域社会の実現に向けて「共生社会を目指すこと」を明確にいたしました。
編成方針を示した後、リーマンショックに端を発した世界的な金融危機の影響から急激な景気後退局面を迎え、区民生活が脅かされる状況となりました。
このような時にこそ、基礎的自治体としての役割を再確認し、区民の目線で区民生活の安心を支えるために全力を尽くさなければなりません。
そこで、平成21年度の予算は、「共生社会の実現にむけて、区民の安心を支え区民が将来への明るい展望を持てようにするための積極的な予算」とし、一般会計の歳入歳出予算規模では485億円あまり、前年度対比約8.8%増といたしました。
区民生活の安心や安全を支えることを最優先に、「暮らしの安心確保」「家計・中小企業の支援」「地球温暖化対策」の3つの視点で、千代田区の地域実態を踏まえ、独自に取り組んできた施策などを中心に課題解決に取り組むことといたします。
まず、第1に、「暮らしの安心確保」であります。
世界的な大流行が懸念される「新型インフルエンザ対策など健康危機への対応」・社会的に問題になっている「食の安全やあらて新手の詐欺への対応などの消費者対策を充実」・社会保障制度改革に伴って区民が抱いている「不安感の解消や介護・福祉、教育・子育て基盤の整備」など、中長期的な安心を確保してまいります。
また、「防災対策・生活環境の改善」として、「マンション防災対策」・地域の皆様と協働した「ちよだ安全・安心ネットワークの推進」などに引き続き取り組んでまいります。
第2には、「家計・中小企業の支援」であります。
「消費生活支援事業の拡充」・「次世代育成手当」・「こども医療費助成」など「家計への応援」・介護保険料の設定など「低所得者の負担軽減」・商工融資事業や賑わいまちづくり支援など「中小企業・商店街の支援」・介護保険施設の人材確保支援等による「雇用の創出」にも取り組みます。
第3には、持続可能な価値あるまち千代田区の実現のため「地球温暖化対策の推進」であります。
「環境」・「経済」の共生は、目先の論議ではなく、将来を見据え、「温暖化対策」という視点で新たなしくみを構築していくことが必要であります。
昨年、施行された千代田区地球温暖化対策条例に基づき、平成21年度は、「効果的な温暖化対策にむけた調査・検討」・「普及・啓発事業」・「新エネルギーや省エネの導入を促すための様々な助成制度」・「区有施設の温暖化対策」など具体的な取り組みを目に見える形で推進してまいります。
以上、平成21年度予算(案)の概括を申し上げましたが、個別の施策について若干触れさせていただきます。

II 高齢者と障害者の安心を支えます

それでは、高齢者・障害者施策について申し上げます。
私の福祉施策に対する基本理念は、「障害があっても、介護が必要になっても、住み慣れた地域で安心と生きがいを持ち暮らし続けられる千代田区を実現する」ことであります。
そのために、地域特性や対象者一人ひとりの状況に柔軟に対応できる区独自のオーダーメイドの福祉サービスの向上に取り組んでまいりました。
今後もこれまでの施策を継続しながら、一味違う上質できめ細かいサービスを提供してまいります。

(1)高齢者施策について

まず、高齢者施策についてですが、ますます高齢化が進む中で、住み慣れた地域で、一人になっても、また、医療的措置が必要になっても、在宅で安心して暮らし続けられるようなしくみを築いていくことが必要です。
特に高齢になり身体機能の衰えに伴い、「医療保険」・「介護保険」の制度の谷間で、支援が十分に行われていない現実があり、千代田区だけでなく、全国的な課題の一つとされています。
区では、この課題に早期に取り組み、平成20年度に「高齢者在宅医療と介護の連携プロジェクト」を立ち上げました。
来年度は、区と地域包括支援センターに、在宅医療や認知症ケアを専任に担当する職員を配置し、「在宅医療」・「認知症に関する区民の相談」にきめ細かに対応してまいります。
さらに、いくつかのケースを取り上げ、「地域のかかりつけ医」・「訪問看護ステーション」・「ケアマネジャー」・「ホームヘルパー」等が連携して、「在宅療養高齢者の定期的な容態の確認」・「緊急時の迅速な対応」などを進めていく、「モデル事業」を早期に実施し、この地域ケア体制をより一層充実させていきたいと考えております。
また、昨年7月に65歳以上の高齢者を対象に、日常の見守りや災害・異変時の支援の対応などに関する実態調査を実施いたしましたが、その調査内容を踏まえ、一人暮らしの高齢者等が安心して暮らし続けられるように、地域の中での見守り体制の構築を進め、異変時の通報・連絡体制の整備に努めてまいります。

(2)障害者施策について

次に、障害者施策について申し上げます。
「障害があることは特別なことでなく」「誰もが障害者になりうる可能性があり」「障害者を大切に」「それは己自身の明日を大切にすること」と常に私は考えております。こうした理念に基づき、神田駿河台に「障害者福祉センター」の整備を進めているところです。
この「障害者福祉センター」は、身体・知的・精神の3障害のサービスを一元化した施設であり、全国的にも珍しく障害者の安心拠点として、一人ひとりのニーズに応じたサービスを提供するだけでなく、ここから地域の中で共に生きることの喜びを発信していく場にしていきたいと考えております。
現在、建物の骨格を成す鉄骨が立ち上がり、本年10月の竣工、平成22年1月の開設を目指して工事を進めております。

III 次世代育成支援を充実します

次に、次世代育成支援について申し上げます。
私は、これまでも、「子どもは未来を担う宝であり、私たちには輝ける未来へ子どもたちを送りだす責務がある。」「明日の社会を担う子どもたちに、健やかな成長の機会を保障することそのこと自体が、私たち現役世代全体の責務である。」、とたびたび申し上げてまいりました。そうした思いから、私は子育て施策を次世代育成支援施策と位置づけ、区政の重要課題として取り組んでまいりました。
子どもと子育てをめぐる環境が厳しさを増す中にあっては、子どもを産み育てたいと願う人々が、「喜び」や「楽しみ」を味わいながら、ゆとりを持って子育てをすることのできる社会、子どもたちにとっても、自らが尊重され、将来に夢や希望を抱いて生きていける社会を築いていかなければなりません。
こうした社会づくりに取り組む中で、私が強く意識してまいった点がございます。
第1は、次世代育成支援施策の実施に当たり、きちんと財源の担保を図るため、毎年度の特別区民税の1%程度の額を子育て環境の整備に要する新規・拡充事業に充てる「子育て施策の財源の確保に関する条例」の制定であります。
第2は、仕事と子育ての両立支援を強力に推進してきたことであります。保育園の待機児童ゼロを23区で唯一実現し堅持するとともに、中小企業の従業員を対象とした「仕事と育児支援助成事業」などを実施しております。
第3は、サービスの多様性の確保という点であります。「保健所保健師による新生児全数家庭訪問」・「所得制限を設けない高校3年生までの次世代育成手当の支給」・「区立九段中等教育学校の創設」「次世代育成住宅助成」など、子育て世帯を網羅するきめ細かな施策を実施してまいりました。
今後もこうした視点に立って、次世代育成支援施策の拡充に取り組んでまいります。

そこで、当面する次世代育成支援の主な施策について申し上げます。

(1)保育園・学童クラブ待機児童ゼロについて

まず、保育園待機児童ゼロの継続についてであります。
本区は23区で唯一、保育園への入園を希望しながら入園することのできない、いわゆる待機児童を解消しておりますが、これからも保育園定数の弾力化や保育園の計画的な建て替え整備による定数の拡大、認証保育所の誘致等により、待機児童ゼロの維持継続に努めてまいります。
なお、待機児童ゼロを継続するだけでなく、すべての利用者が最寄りの希望する保育園を利用できる体制を構築することこそ理想であり、その実現に向けても全力を挙げて取り組んでまいります。
次に、学童クラブ待機児童ゼロについてであります。
学童クラブでは、保護者が就労等で不在のため、放課後や学校休業日の世話を受けられない小学生に、一定の時間、生活の場を提供し、遊びや基本的な生活習慣の指導等を行っておりますが、本区では、「小学校6年生」までを対象としております。
学童クラブの入会希望者は、毎年増加の一途をたどり、小学校内に全国的には珍しい民間事業者の運営する「学校内学童クラブ・アフタースクール」を設置したり、学童クラブ定数の弾力的運用を図ることにより、待機児童の発生を極力抑えてまいりましたが、依然として待機児童の解消には至っておりません。近年学童クラブによっては、入会をお待ちいただく場合も出てまいりました。
そこで、平成21年度中に待機児童の解消を図ってまいります。

(2)特別支援教育の充実について

次に、特別支援教育についてであります。
心身障害教育に関しては、これまで、都立の盲・ろう・養護学校や区立小中学校における心身障害学級の整備という形での取り組みが行われてまいりました。しかしながら、近年、ノーマライゼーションの進展、障害の重度・重複化や多様化、小中学校の通常学級に在籍するLD・ADHD・高機能自閉症等の発達障害と呼ばれる児童・生徒の存在等から、抜本的な改善が求められるようになり、発達障害も含め障害のある子どもの一人ひとりの教育ニーズを把握して適切な教育的支援を行う「特別支援教育」の推進が図られてきております。
私は、かねてから教育目標に基づく区立学校運営の基本は、お互いの違いを理解し、それを「認め合い」「包み込んでいく」ことにあり、学校は、いわば「共生」の理念を実践する場であると考えております。
そこで今年度は、「千代田区発達支援・特別支援教育推進協議会」を立ち上げ、今まで本区が行ってきた取り組みの成果を検証するとともに、今後本区が進めるべき、中・長期的な施策について、教育関係者や保護者のみでなく、医療、心理、保健、福祉等、様々な分野の関係者で具体策を検討し、提言としてまとめていただきました。

提言は、1)「縦の連携の一層の充実」、2)「中学校での支援体制の整備」、3)「学校・園における支援体制の整備」という大きな3つの柱から構成され、考えられる具体策が示されております。今後は、関係各部課が責任をもって提言に示された一つひとつの内容を検討し、本区の特別支援教育のより一層の充実を図ってまいります。

(3)(仮称)富士見こども施設開設について

次に、「(仮称)富士見こども施設」の整備についてであります。
(仮称)富士見こども施設は、「こども園(幼保一元化)」「小学校(教育)」「児童健全育成機能(児童館的機能)」などを、同一の施設内に包含し、ゼロ歳から18歳未満の子どもを対象とした総合的な子ども施設として、来年4月の開設を目指し、着々と整備を進めているところであります。
この施設は、共に育む「・・共育」を実践する場としてだけでなく、積極的な地域開放を図り、地域の核・地域の防災拠点となる施設としてまいります。
また、太陽光発電装置の設置など地球温暖化対策にも最大限配慮した公共施設として整備してまいります。

IV 地球にやさしい地域環境づくりを進めます

次に、地球にやさしい地域環境づくりについて申し上げます。
千代田区は、我が国の政治・経済の中心地として、活発な経済活動のもと、今後も持続的に発展してまいります。このため、何の対策も講じなければ、区内のCO2の排出量は増加の一途をたどることになります。
そこで、千代田区では、経済と環境の共生を図りながら、地域特性にあった温暖化対策を講じていくための千代田区地球温暖化対策条例を制定したところでございます。
全国の自治体で初めて、1990年比で2020年25%CO2を削減するという、中期対策目標を盛り込んだ、本条例の施行から、1年余りが経過いたしました。
一方、国は、温暖化対策は、地域の住民や事業者と密接な関係にあり地域の特性を踏まえた、基礎的自治体からの取り組みが不可欠との認識のもとに全国にモデル都市の提案を求めたものであります。

本年1月に千代田区は、世界の先例となる「低炭素社会」への転換を進め、国際社会を先導していく先進的な自治体として、「環境モデル都市」に都内で唯一選定されました。
選定の考え方は、中期的な温室効果ガスの削減目標の設定と実現状況を、判断の基準としたものと聞いております。
条例の対策目標と、これまで対応が困難であった既存建物の省エネ対策をはじめとする単体建物対策、まちづくりの機会と場を活かした街区・エリア単位の面的対策、地域連携による「ひとづくり」、「まちづくり」などの先進的な提案などが評価されました。
千代田区は環境モデル都市として、温暖化対策に先導的に取り組むことを宣言するとともに、環境モデル都市の称号に相応しい具体的な対策を進めてまいります。

V 地域のつながりを大切に、地域を元気にします

次に、地域の活性化について申し上げます。
今般の世界大不況は、雇用の問題や企業経営など大変な問題を露呈しました。社会全体が買い控えにより、疲弊しきっています。社会不安を解消するためには、将来に対する自信を回復し、希望を持てる社会を構築する必要があります。それにより、人々を前向きに行動させ、社会全体が再び活性化するものと私は考えております。

(1)町会・ボランティア団体に対する活動の支援

こうした時代の中で、地域の絆、人と人とのふれあいがあってこそ、豊かで充実した社会生活を営むことができるのではないでしょうか。従来からの地域組織である町会と、大学、NPO・ボランティアなどの多様な主体との連携・協力による地域活動の推進により、まちへの愛着や誇りを育み、地域共生社会の実現を目指すことが何よりも大切です。
千代田区では、区民の8割を超えるマンション居住者がおりますが、マンションにお住まいの方は、比較的地域に対する関心が薄く、町会活動や地域のイベント等に参加する度合いが低い傾向があります。このため、マンション交流会などを通じて、地域の防災訓練やイベントへの参加など、地域との交流を促進する努力を行い、徐々にではありますが、そのつながりが強められてきております。
しかしながら、真に活力ある地域社会を実現していくためには、こうした取り組みを一層推進していくことが求められており、平成21年度は、連合町会・町会が中心となって行う、マンション居住者への町会加入促進のための情報誌の発行や町会掲示板の設置などの取り組みを支援してまいります。
また、区内大学・各種学校・専修学校やNPO・ボランティア団体との連携協力については、従来から進めている提案制度をより区民生活に密着した実現性のある制度とするとともに、平成21年度は新たに各種学校・専修学校に対する支援制度を創設し一層の連携を深めてまいります。

(2)(仮称)ちよだアートスクエアの開設について

次に、「(仮称)ちよだアートスクエア」についてであります。
千代田区文化芸術プランの重点プロジェクトである「(仮称)ちよだアートスクエア」は、千代田区の新たな文化芸術の拠点施設として、当面の間、旧練成中学校を使用して本年10月の開設を目指しております。
この「(仮称)ちよだアートスクエア」は、区民の文化芸術活動、日本の地域文化芸術、国際的文化芸術交流の拠点として、また、区民、アーティストへの新しい文化芸術支援プログラムの企画と実施など、さらには、練成公園と連結した緑あふれる開放的な文化芸術活動環境を事業コンセプトに整備するものであります。
現在、事業候補者と運営について議論を重ねているところであり、早急に成案を得たいと考えております。
本区としては、この「(仮称)ちよだアートスクエア」の創設が、区民の豊かな人間形成や能動的な行動を育む力となるとともに、多様な自己発見を促し、精神的なゆとりを生み出すことにつながって、区民の満足度がさらに高まるものと考えております。

(3)地域経済対策について

次に、中小企業支援対策及び消費者支援対策についてであります。
サブプライムローン問題に端を発したアメリカ発の金融危機は、我が国においても100年に一度といわれる経済危機をもたらしております。
本区においては、今日の急激な景気悪化による中小企業の厳しい経営状況を勘案し、まず、商工融資あっせん制度を、長期・短期資金を織り交ぜた制度として実施していく必要性があります。
このため平成21年度においては、「緊急景気対策特別措置―2009」として、昨年秋に実施した、長期資金としての緊急対策特別資金をさらに拡充するとともに、「短期資金」として、本人負担率が0.1%と限りなくゼロに近い融資を、年度当初より実施してまいります。また、環境モデル都市として地球温暖化対策等と連動した「特別資金」の創設を行い、中小・零細企業の経営安定化と省エネ化を支援してまいります。

次に、商店街や業種別団体等の自主的な意欲ある取り組みをより効果的に支援するため、各団体が自ら提案・実施する「賑わいまちづくり支援事業」を拡充するとともに、区内商店街振興組合の発展・充実を促進するため、さらなる支援を行ってまいります。
「消費者支援対策」として実施してきた「500円ワンコインドリーム事業」についてですが、
この事業は、区民が、区内の加盟店でのお買い物や食事の際、スタンプカードに500円ごとにスタンプを押印し、20個のスタンプが押されたカードを「1,000円の金券」として利用できるシステムです。また、区民以外の方も含め区内の全消費者を対象として、総額2,500万円相当の商品が当たる懸賞はがき制度も併せて行う事業です。

この事業は長引く景気低迷と消費停滞の中で、消費拡大と商店街の振興を目的として、平成14年度から始まり、平成19年度には事業の見直しを図り、次世代育成支援及び高齢者支援に特化して実施してきたところであります。
本事業は、平成13年度まで実施してきた共通商品券事業が、「一過性で継続的な消費活動につながりにくいこと」・「比較的大きなスーパーマーケットに消費が集中」してしまうなどの課題を踏まえ、区内全域の小売店において、区民等が日常的に繰り返し買い物ができる継続性のある事業として、行政が財政支援し、実施しているものです。
本事業は「消費者支援による内需拡大施策」と「参加した店舗には販売機会の増加に寄与する中小企業支援の効果」の両面を持つものでもあり、今回の危機的な社会経済状況下で、自治体が行う政策として大変効果的なものであると考えております。
平成21年度は、対象を全区民に拡大し、LEDを使用した照明器具への買い替えなど、家庭における環境配慮活動の促進も加味したものとして実施してまいります。

一方、近年、多重債務問題や、架空・不当請求等の消費者トラブルが急増し、消費者を取り巻く環境は大きく変化しております。こうした中、消費生活相談体制の充実を図るとともに、暮らしに役立つ情報提供や、消費者の自主的な活動の援助、消費者教育の拠点となる「(仮称)消費生活センター」を開設してまいります。

VI 安全・安心な地域づくりを進めます

次に、安全・安心な地域づくりについて申し上げます。
区民生活における安全・安心はすべての施策の前提であります。
区民が日々安全に安心して暮らせるまちづくりに次に掲げる視点から総合的に取り組んでまいります。

(1)生活環境条例の着実な実施について

一つ目に生活環境条例であります。
地域からの発意をもとに、平成14年に生活環境条例を施行、以来、安全で快適なまちの実現を目指し、6年が経過しました。
全国の自治体にも同様の取り組みが広がっておりますが、千代田区の最大の特徴は、地域関係者と行政が協働で条例の推進に取り組んでいることだと思います。
区民、事業者、行政機関と合同で毎月定期的にパトロールを実施し、清掃活動、啓発活動を行っております。
地域の方々自らが汗を流し、活動を通じて地域を構成する関係者の連携・強化につながり、防犯の面でも有益であり、延いては安全・安心なまちづくりにおおいに寄与していると考えます。
路上喫煙禁止地区も昨年、麹町・富士見地区を拡大、皇居を除き区の面積の83%を地区指定いたしました。今後、平成21年度には霞が関・永田町地区を指定し、区内全域を指定することで、生活環境条例の着実な推進に取り組んでまいります。

(2)地域防災対策の推進について

二つ目に防災対策であります。
安全で災害に強いまちづくりは、区民全ての願いであります。東京直下型の地震がいつ起きても不思議ではないと指摘されている中で、区民の生命財産を守ることは、区に課せられた最大の使命です。
昨年、中国で発生した四川大地震の教訓を踏まえ、改めて建築物の耐震強度を確保することの重要性が再認識されました。こうした中で、本区では、マンションや木造住宅等の耐震診断、耐震改修助成制度等の事業を推進しております。加えてマンション防災対策として、エレベーター内の防災キャビネットの配備等を行っております。
今後は、区民・事業所・学校等が緊密な連携を取った地域が主導する訓練を推進するとともに、時宜に適った備蓄物資の整備に努め、区全体の減災に向けた取り組みを推進してまいります。

(3)新型インフルエンザ対策について

三つ目に新型インフルエンザ対策であります。
新型インフルエンザについては、近い将来、大流行が予想され、一旦発生すれば、社会や国の経済機能に大きな影響を及ぼしかねません。
したがって、「マスクの備蓄など感染拡大の防止対策」・「医療相談体制の整備」を進めるとともに、様々な広報手段を通じて新型インフルエンザの知識を広めております。
今後も、区民・事業者・警察・消防等と相互の連携を深め、関係機関が主体的に取り組みを尊重しつつ、地域ぐるみで総合的な活動を進めてまいります。

VII 基本計画の改定に着手します

次に、3期目のスタートにあたり、「千代田市」を目指す基本構想に基づく基本計画の改定に着手いたします。
現基本計画は、平成14年度から平成23年度まで10年間の施策の目標を定めております。また、この基本計画を具体化するための事業計画である第2次推進プログラム、並びに区政経営の基本的方針を定めた第2次行財政構造改革推進大綱は、平成21年度が計画期間の最終年度となっております。
従いまして、今回の基本計画改定は、推進プログラムと行財政構造改革推進大綱を含めて行うことになります。
昨年秋に発行した「みんなで考えようこれからの千代田」において区政の課題を整理しましたが、社会構造の変化や社会保障制度の改革に加え、現基本計画を策定した時と比べると経済状況の激変、IT技術の進歩などドッグイヤーという言葉さえ陳腐化しかねないほど非常に変化の激しい時代になっています。
このような変化の激しい時代に、10年先を見通し、目標と事業量を定めるのは非常に困難であります。
そこで、改定基本計画は、計画期間を短縮して、変化する区政課題に対応するとともに、区民要望にも適時的確に対応できる計画といたします。
同時に計画の内容も、施策の方向性を明確かつ分り易く示すものとすることで、区民の皆様はもとより、職員を含めて誰もが、いつでも気軽に参照できるコンパクトな計画書にしてまいりたいと考えております。
このことにより、これまで以上に、区民の皆様に対して、「区政が何を目指そうとしているのか」を明確にお示しして、「区政の目標を共有」しながら、区民の目線で区政運営に取り組んでまいりたいと思います。
今後、平成22年度予算編成への反映ができるよう、できるだけ速やかに改定基本計画の策定作業に着手いたします。

VIII 議案

最後に、今回ご提案いたしました予算案件及び条例関係等の諸議案についてであります。

まず、予算関係でありますが、

  • 平成20年度の補正予算が3件
  • 平成21年度各会計予算が5件であります。

次に、条例案件関係でありますが、

  • 新たに条例を制定するもの3件
  • 条例の一部を改正するもの7件

計10件で、今回の付議案件は、合計18件であります。この他、専決処分の報告2件であります。

なにとぞ、諸議案につきましては、慎重ご審議の上、原案どおりご議決賜りますようお願い申し上げまして、平成21年第1回区議会定例会開会のご挨拶といたします。

平成21年2月26日 千代田区長 石川 雅己

※本文は口述筆記ではありませんので、表現その他が実際の発言とは若干異なることがあります。

お問い合わせ

政策経営部総務課総務係

〒102-8688 東京都千代田区九段南1-2-1

電話番号:03-5211-4134

ファクス:03-3239-8605

メールアドレス:soumu@city.chiyoda.lg.jp

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?