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更新日:2011年6月9日

平成23年第2回千代田区議会定例会 招集挨拶

平成23年第2回区議会定例会の開会に当たり、私の区政運営における所信を申し上げます。

はじめに(東日本大震災)

東日本大震災により亡くなられた1万5千人を超える方々に改めましてご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災地の一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。

東日本大震災は、東北地方を中心に極めて甚大な被害をもたらしました。被害を受けた被災地の自治体では、その機能を全く失ってしまった所も少なくありません。
私も、さる5月18日に、千代田区の姉妹都市提携先の秋田県五城目町と交流のある、「岩手県大槌町」を訪問し、被災地の惨状を目の当たりにしてまいりました。見渡す限りの大津波の爪痕はすさまじく、胸が締め付けられました。被災地で今何が起こっていて、被災地の自治体はどんな体制でどのように住民に対応しているのか。問題点は何か。千代田区の災害対策にどう活かせるのか。こうしたことを自分の目で確かめるために大槌町役場に向かいました。役場自体は津波に流されて全壊しており、仮設の役場に行きました。町長が亡くなられたため、役場では副町長が指揮を執っておられました。町の95%が波にさらわれるという壊滅的な被害の中で、副町長は「何も残っていない」と肩を落としておられました。行政機能が停止し「無」の状況からの復興には、気の遠くなるような時間と労力を要することを痛感いたしました。
亡くなられた多くの方々のご冥福をお祈りし、被災された方々へのお見舞いを申し上げ、千代田区は、物的支援をはじめ、人的な面においても積極的に支援していくことをお伝えしてまいりました。

今回の地震では、首都圏でも大きな揺れと被害が発生しました。発災直後からの状況を振り返ってみると、多くの問題点や課題が浮き彫りになりました。区としましては、今回の震災を教訓に災害対策を抜本から見直すことといたしました。そのことが、区民の皆様に最も近い基礎的自治体としての千代田区の使命だと考えております。

I 大震災への対応と今後の震災対策のあり方について

区が果たすべき最も重要な役割は、まず、区民の安全と安心を確保し、生命・財産を総力挙げて守ることであり、これに続いて昼間区民への対策であります。
今回、発災後、直ちに災害対策本部を設置し、徹夜で、まず区民の安全を確認するため、火事や建物の倒壊などの被害情報を収集するとともに、学校の児童・生徒の安全確保、災害時要援護者等の安否確認を最優先し実施しました。
さらに、発災の翌日から、区内の建物約1万棟を対象に被害状況の目視調査を実施し、個別相談も行いました。これは、阪神淡路や中越地震での教訓を踏まえ、いち早く建物の安全確認を行うことで、余震による二次被害を避けるため行ったものです。
特に今回の災害は、地震・津波・原発事故・風評被害と、過去に経験したことのない震災対応が必要であると考えました。
そこで、不測の事態に迅速・機動的に対応できるよう、3月31日の区議会臨時会で平成23年度補正予算第1号をご議決いただきました。
こうした補正予算措置は、都内の自治体としていち早く対応したもので、最優先すべきことは、まずは区民の安全確保対策であるとの考え方に立脚したものであります。加えて、3月中に応急資金貸付制度の拡充や災害対策特別資金貸付制度の創設を図ったところであります。
次に、区が取り組んだのは昼間区民への対応であります。85万人とも言われる昼間区民が、1日の3分の1をこの千代田区で過ごしております。
このことによって、区内で商売を営まれている区民は恩恵を受け、また、商業施設などは区民の日常生活を支える基盤にもなっております。そこで、発災時少しでも不安感を解消するためにも、いわゆる昼間区民対策は重要な施策であります。
さらに、区のこうした施策を通じて、災害時に昼間区民の方々も地域を支える力・いわば「協助」へ進展していくものと認識しております。加えて、私はこれまでも一貫して、区の考え方として区民と働き・学ぶ人々が、この千代田区で共に生きるという共生社会の実現を申し上げてきました。災害時の昼間区民対策も、こうした考え方の具体的な取り組みであります。

(1)今回明らかになった課題

今回の震災を振り返り、明らかになった主な課題を申し上げます。

発災直後の状況

3月11日の午後、これまで経験したことのない大きな揺れが我々を襲いました。本来、区内の多くの建物は地震に強いはずですが、現実には多くの方が咄嗟に建物外に出て、道路、公園、校庭などが人で溢れかえりました。道路は人や車で大渋滞となり、鉄道などの公共交通機関も麻痺し、通信が途絶え、混乱を招きました。区施設にも多くの帰宅困難者が集まり、混乱も予想されたため、当初の想定にはない区施設への受け入れを決定いたしました。直ちに、区職員を各施設に派遣し、受け入れや備蓄物資の配布、災害対策本部への情報伝達などを行いました。しかし、各施設の収容状況の把握に時間を要し、満杯となった施設から他施設への誘導などが円滑に行われませんでした。
さらに、現行「千代田区地域防災計画」の前提となる発災の想定時間が平日の午後6時のため、学校等に児童・生徒などが滞留することを想定しておりませんでした。しかし、午後2時46分の発災という現実が、学校に子どもたちが、一時は1千300名程も滞留し、夜を明かした子どもたちは約200名にも上る結果となりました。

情報伝達手段の再構築の必要性

今回の震災では、情報伝達手段を絶たれたことが不安を増す要因となりました。情報が錯綜する中、災害時に比較的強いとされてきたインターネットも一時使えず、区からの安全・安心メールの配信にも手間取りました。さらに、帰宅困難者が交通機関の運行状況や徒歩で帰宅する際の道がわからず、混乱に拍車をかけました。
また、発災直後に区から適切な情報発信ができず、区民が区の対応状況などを知ることができませんでした。その結果、帰宅困難者の避難所への受け入れや誘導、高齢者の安否確認等の様々な支援を地域と協働で行うことができませんでした。このように、情報が適切に伝わらないことが災害時の混乱を増幅し、区民の不安に直結します。災害時の情報伝達について一から点検し、再構築していくことが大きな課題であります。

帰宅困難者の受け入れ

次に、帰宅困難者の受け入れについてであります。
震災当日、区本庁舎をはじめ各公共施設を開放し、2千人を超える帰宅困難者を受け入れました。
一方、従来より災害時の協力協定を締結している大学やホテルのほか、民間ビルなどが自主的に帰宅困難者を受け入れたことから、大混乱を回避することができました。
現在、区内6箇所にある日比谷公園などの「帰宅困難者支援場所」は情報提供の場として位置づけておりましたが、寝泊まりまでは想定していませんでした。このため、避難所となる小・中学校等とは別に、帰宅困難者を受け入れる施設の確保が急務であります。

避難所運営の見直し

首都直下型地震などで大きな被害があった場合、発災の時間帯や曜日によっては、区職員の到着が間に合わず、区民の皆様が自主的に判断し、自らの手で避難所を開設するとともに、備蓄物資の搬出等を行っていただく必要があります。
こうした事態も想定した実践的訓練が今後必要となってきます。

災害時要援護者対策

次に、災害発生時の要援護者対策についてであります。
災害時に自力での避難が困難であったり、救援が必要な区民に対し、迅速で的確な安否確認と援護の仕組みをつくることが重要であります。そのため、区では、援護を希望されるひとり暮らし等の高齢者や障害者の方に登録していただく「災害時要援護者名簿」の制度を設け、日頃から町会や福祉関係・防災関係機関にこうした方々の情報を提供することにより、発災時には、身近な地域の方々等が素早く要援護者のもとに駆けつけ、安否確認や救援を行っていただく仕組みを整えてまいりました。
今回の大震災においては、発災直後から、この名簿をもとに、区や高齢者あんしんセンターの職員、さらには町会員等による支援も得て、電話や訪問により要援護者の安否確認を行いましたが、対象者全員の安否確認をするまでに、2日半余りを要しました。
平日昼間の発災であったにもかかわらず、要援護者の安否確認にかなりの時間を要したことは、災害時の区民の安全確保のあり方に大きな課題を提起するものであります。
夜間や休日の発災のように区職員による対応が困難と想定される状況においても、身近な地域の方々による迅速で実効ある安否確認や救援が確実になされるよう、今後、町会・身近な地域の方々のご理解・ご協力をいただきながら、地域の自助・協助による要援護者の救援体制の一層の強化を図ってまいりたいと考えております。

備蓄物資の内容・配置方法

次に、備蓄物資のあり方についてであります。
今回の地震では、多くの帰宅困難者が区施設に滞留したことから、飲料水、食料などを緊急措置として提供しました。当時は気温も低く、毛布も配布しましたが、帰宅困難者に充分な数量は確保していませんでした。また、受入れを想定していなかった公共施設では備蓄物資が不足し、別の場所から搬送する事態となりましたが、当時の道路状況では迅速な対応が出来ませんでした。
これらを踏まえ、千代田区を構成する様々な施設が、主体的に備蓄をするための支援をするとともに、区として備蓄の品目・数量などを見直してまいります。

(2)災害対策の抜本見直し

災害対策見直しの視点

東日本大震災の教訓を活かし、「防災に想定外は許されない」という理念のもとで、災害対策を見直していく必要があります。具体的には、職員の参集しにくい夜間や休日なども想定に加え、発災の時間帯や曜日などの異なる複数の対策を講じていきます。また、これまでの想定にない厳しい状況も見越して見直しを進めていきます。

「防災計画」の改定方法・時期

以上のように明らかになりました様々な課題の解決に向けて、防災体制の改革に着手いたします。まずは、「自助・協助」が発災時に有効に機能するような支援の仕組みを構築するとともに「公助」を更に充実していき、区の全ての災害対策の基本である「千代田区地域防災計画」の改定にあたっては、今まで申し上げた諸課題への解決の具体策を組み込み抜本的に見直してまいります。
見直しに当たっては、広く区民の声をお聴きするとともに、国・都・消防・警察などの行政機関はもとより、電気・ガス・公共交通機関などのライフラインや大学、区内企業を中心とした帰宅困難者対策地域協力会など、災害対策に深く関わる方々と緊密な連携を図ってまいります。そして、それら関係者により構成された「千代田区防災会議」において協議し、年内の改定に向けて全力で取り組んでまいります。

II 旧グランドプリンスホテル赤坂の被災者に対する支援

次に、旧グランドプリンスホテル赤坂への被災者受け入れに伴う区の支援についてであります。
さる4月9日に東京都が避難所として開設し、現在、概ね800名の方が入居しています。区内で被災者の方が生活をするために必要な様々な行政サービスを提供することは、区でなければできない当然の責務であります。
そのため、被災者の入居に先駆けて、4月7日には「東日本大震災被災者総合相談窓口」を区役所2階に設け、各種行政サービスや生活の相談など、あらゆる事象に対応を行っております。
避難所を開設してからは、区と社会福祉協議会により現地に連絡所を設け、様々な相談や連絡調整など、気軽に立ち寄れる窓口としてご利用いただいております。その他にも、健康相談や高齢者世帯への訪問、図書館コンシェルジュによる図書の相談やお子様への読み聞かせなど、木目細やかな行政サービスを提供しております。
また、区立小・中学校への転入学手続きを迅速に行い、教科書や学用品、給食なども提供しております。
理容・美容、浴場利用、クリーニングの各種サービスについては、被災者が無料または半額で利用できるよう、各業界団体と区との間に協定を締結しました。
さらに、地元連合町会などが様々な支援活動を行っております。
このように、入居後の様々なフォローを区や地元町会等が独自に行っているのが実状であり、被災者の心情を共に共有しながら、千代田区での避難所生活が良かったと思われるよう誠意を持って対応しているところであります。

III 放射線の健康への影響について

次に、福島第一原子力発電所の事故に伴う放射線の健康不安への対応についてであります。
区では、原発事故直後の3月15日からホームページやチラシ等で放射線への対応に関する情報提供を行っており、ホームページについては、随時内容を更新してまいりました。
さる3月23日には、金町浄水場から基準値を超える放射性ヨウ素が検出された旨の報道がなされました。都の対応の見通しが立たない中、区独自の判断で即日、保健所や各出張所等に区の備蓄用飲料水を配備して、乳児の保護者の方にお配りするとともに、区立保育園での粉ミルクへの利用などに万全の対策を講じました。翌日、都から木・金曜日2日分の飲料水が届きました。しかし、土・日曜日を控えていたため、区がさらに上乗せし、合計4日分を提供する体制をとりました。
このように区は、乳児のご家庭の方々が少しでもご不安を解消すべく、区独自に迅速に判断し対応してまいりました。
原発の事故が未だに収束する様子が見えず、放射能の影響への不安が広がりつつあります。こうした中、5月中旬に、ある区立幼稚園の保護者が自主的に園庭野菜の放射能濃度を測定されました。
こうした状況を踏まえ、教育委員会では直ちに、保育園・幼稚園・小学校について、野菜類及び土壌の放射能濃度測定を実施することを決定しました。
また、大気中の放射線量についても、測定を実施することといたしました。検査結果は6月中にも公表してまいります。
また、プールや子どもの池の測定についても適宜必要に応じて対応してまいります。
今後、大気中の放射線量については、東京都が継続的に測定している結果を拠りどころとしつつも、本区独自の測定を行い、解りやすく情報提供に努めてまいります。

IV 節電対策について

次に、節電対策についてであります。
東日本大震災による原子力発電所の運転停止に伴い、東日本全域で電力不足が続いております。特に、これから迎える夏は、大規模な電力不足が予想されております。今年も昨年同様の猛暑となれば、電力需要の超過により大規模停電のおそれがあります。その場合、事業活動や交通機関に大きな影響が現れ、多大な経済損失とともに社会の混乱を招くことになりかねません。区民生活においても、夏の暑さの中で生命の危険を伴う事態の発生も考えられます。このため、今夏の節電は、区の危機管理を考えるうえでも極めて重要な課題であり、徹底した節電努力が求められています。
とりわけ千代田区は、日本の業務機能が集積し、多くの電力を消費している自治体であります。現在の電力体系は、震災の発生した東北地方等から発電した電力を経済活動等に消費しています。千代田区の発展と区民生活の安定は、今回の被災地である東北地方の電力供給によって支えられていたと言っても過言ではありません。
被災地を多く抱える東北地方では、電力供給が未だ不十分で、現在でも多くの方々が不自由な生活を余儀なくされています。
また、不測の事態で計画停電が実施された場合、都内においては、23区は対象外とされており、多摩地区が対象となる可能性が公表されました。
多摩地域の方々の気持ちを忖度し、特別区長会では、政府方針を上回る削減目標を設定し、広く区民・事業者にご理解を求めていくとの緊急声明を出しました。
そこで電力の大量消費地である千代田区においても、区民サービスの低下をできる限り抑え、徹底した節電に取り組むこととし、7月から9月の節電対策として具体的な目標を定めた基本方針を策定いたしました。区の本庁舎をはじめとする契約電力の大口需要施設は、電気使用のピークに達する時間帯に国の定める15%を節電することを確実に達成するとともに、区有施設全体で電気使用量の25%を節電する目標を設定しました。
また、区民や事業者の皆様にも国が掲げる15%の節電目標の達成をお願いし、広報紙や区のホームページなどで節電を呼びかけてまいります。

電力不足はこの夏だけに留まらず、今後も続くものと思われます。
区民の皆様をはじめ利用者の方々にはご不便をおかけいたしますが、深刻な電力不足を乗り切るために、是非ともご理解とご協力をいただきたいと思います。

V 議案

最後に、今回ご提案いたしました諸議案についてであります。

先ず、予算関係でありますが、

平成23年度千代田区一般会計補正予算第2号であります。

次に、条例関係でありますが、

  • 千代田区特別区税条例の一部を改正する条例
  • 千代田区災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例の、計2件であります。

次に、報告関係でありますが、

平成22年度千代田区一般会計予算の繰越明許費に係る歳出予算の繰越しについて1件で、

今回の付議案件は、合計4件であります。

なにとぞ、諸議案につきましては、慎重ご審議の上、原案どおりご議決賜りますようお願い申し上げまして、平成23年第2回区議会定例会開会のご挨拶といたします。

平成23年6月9日 千代田区長 石川 雅己

※本文は口述筆記ではありませんので、表現その他が実際の発言とは若干異なることがあります。

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