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更新日:2013年3月1日

平成25年第1回千代田区議会定例会 招集挨拶

平成25年第1回区議会定例会の開会に当たり、私の区政運営における所信を申し上げます。

はじめに

区政運営四期目にあたり

私は、先に行われた区長選挙において、区民の皆様のご信託をいただき、4期目の区政運営を務めさせていただくこととなりました。
日本の中心、東京の顔である千代田区のかじ取りを担い、より良い千代田区の実現に向けて施策を進めてまいります。改めてその責任の重さを感じるとともに、身の引き締まる思いがしております。
この選挙期間中、これまでにも増して多くの皆様とお会いする機会がありました。私自身、地域に直接、足を運ぶ中で、地域の実態や考え方をお聴きすればする程、知らないことが多いことを感じました。出会いこそ、人を育てることに通じると再認識したところであります。
さて、私は、就任当初から「区政はサービス業である」と申し上げてまいりました。サービス業は、単にモノを提供するだけではなく、モノを通じて心を提供することであり、相手のことを思い、使い手の立場に立つことであります。星の王子さまの一節に、「心を見なくては、物事はよく見えない」という意味の言葉があります。私は、真のサービスとは、その背景や受け手の想いを反映し、心を伝えることであるとの考えのもとで、職員の意識改革に努めてまいりました。
また、将来に向けて、時代に先駆けた行政サービスを安定的に提供できるよう、継続的に内部努力を重ね、強固な財政基盤を築いてまいりました。
一方で、これまで私を支えてくれた職員の努力 と 実績が区民の皆様に評価され、今回の選挙にその結果として現れたものと認識しております。
これからも、区民の皆様の思いを結び、初心に立ち返り、区議会の皆様とともに区政運営に邁進してまいります。
それでは、まず、私の区政運営における基本的な考え方を申し上げます。

「豊かな地域社会」の実現

家族・地域・職場のつながりに焦点をあてた平成19年の国民生活白書には、「つながりが築く、豊かな国民生活」とあります。まさに、身近な地域にも当てはまる内容だと感じました。現代社会は、次第に人間関係が希薄になり、身近な地域や家庭のつながりが失われつつあります。
芭蕉の句に「秋深き隣は何をする人ぞ」とあり、解釈は様々ですが、私は周囲の人への温かい思いを表現していると感じました。現代は隣人のことをよく知らないと言われますが、人は本来つながりを求め、それが欠ければ幸せとは思えず、日々の生活は心細いものとなります。
超高齢社会であればなおさら、人とのつながりや、隣近所の助け合い、支え合いが地域福祉やコミュニティの充実に向けた最大の財産となり、施策を展開するうえで重要な基盤となります。今、まさにそのことに光を当てることが求められております。
また、地域で異なる見方や相反する考え方を持つ人々が、お互いに多様な価値観を認め合いながら地域社会を形成していくことが、住みやすい環境づくりの基本であると考えます。
言い換えれば、包容力のある地域社会の実現であり、このような地域社会を「豊かな地域社会」であると考えております。
行政は、様々な形での地域のコミュニティを通じ、そこに住み、働き、学ぶ人々の想いをつないでいくことが肝要であります。
地域での支援のあり方として、「自助」・「公助」・「共助」があります。その中でも現代社会において、特に「共助」が弱く薄くなり、人と人との心のつながりが失われてきていると実感しております。
また、多くの人々は、地域が必要とするサービスは、最大限行政が提供してくれるものという見方がいまだに強く残っています。しかし、真に地域が必要とするサービスを展開するためには、地域の皆様自身がその地域に合ったやり方を考え、お互いに知恵を出し、助け合いながら進めていく「共助」の精神が不可欠であります。そして、行政は、「共助」の実現を側面から支援し、施策に結び付けていく必要があります。
地域社会とは、そのような「共助」の基盤づくりのうえに施策を発展・充実させていくものであり、地域に最も身近な自治体である区にとって、多くの人々の参画と協働が重要な課題になってまいります。

I 平成25年度予算(案)について

それでは、平成25年度予算(案)について申し上げます。
私ども執行機関といたしましては、一昨年、そして昨年と、2年連続で決算不認定という厳しい現実を真摯に受け止めるとともに、この間、議会からいただきました様々なご意見につきましては、これを十分に踏まえ、庁内議論を経たのちに今回の予算編成を行ってきたところであります。
今後とも、区民の目線に立った区政運営に一層の努力をしてまいる所存であります。
さて、歴史的な円高とデフレ経済に苦しんできた日本経済にもやや明るい兆しが見えてまいりました。この流れが雇用の増加や賃金の上昇、企業収益の改善へとつながり、経済の回復をもたらすことが期待されているところであります。
一方、我が国の公債残高は年々増加の一途をたどっており、財政再建は待ったなしの状況となっております。言葉を代えて言えば、将来世代の富に手を付けていると言っても過言ではないのであります。そして、これ以上財政状況が悪化いたしますと国民生活にも大きな影響を与えることとなってしまいます。
このような社会経済情勢の中、千代田区においては、将来世代の負担をできる限り少なくする内部努力を継続し、「強い財政基盤の確立」を目指す必要があります。また、「区民生活の安全を守り、安心を支える」という基礎的自治体の役割を改めて認識し、区民生活の不安の解消を積極的に図ることが求められています。
そこで、平成25年度予算は、区政のあらゆる分野において「安全・安心」のさらなる確保を最優先課題とし、編成いたしました。即ち、震災対策などの「危機管理に関する取り組み」、高齢者の在宅生活への支援などの「保健福祉に関する取り組み」、いじめ対策や保育園、学童クラブの待機児童ゼロ対策などの「次世代育成に関する取り組み」の三つの分野を重点事項として、施策の効果や必要性が一層実感でき、効果的な事業展開を図るための予算といたしました。
この結果、一般会計及び特別会計を含めた予算規模は571億円余で、前年度に比べ約6億9千万円、率にして1.2%の増となっております。
次に、平成25年度に取り組む主な施策について申し上げます。

II コミュニティ施策について

まず、コミュニティ施策について申し上げます。
区は、これまでも、町会補助金や地域コミュニティ活性化事業、コミュニティ活動事業助成など様々な施策を通じて、区民の地域活動への参加や交流促進を図ってきたところであります。
さらに、区内で活動する在勤者や在学者が地域に関心を持ち、協働参画してもらえるよう、町会・商店会・マンション自治会など地域の様々な主体との融和促進を支援してまいりました。
しかし千代田区においては、近年の流入人口の大幅な増加とともに、マンションなど共同住宅に住む区民が約85%に及ぶなど、これまで経験したことのない新たな局面を迎えております。
また、世論調査結果等を見ても、一昨年発災した東日本大震災をはじめ、独居老人の孤独死、いじめ問題などが大きく報道されている中で、個人では解決できない課題をどのように解決していくべきか、大きな不安を抱えていることも伺えます。
まさに現在、ご近所の底力、地域コミュニティの意義・重要性を改めて見つめ直す時がきているのではないでしょうか。
そこで平成25年度は、これらの課題を踏まえ、都心千代田区にふさわしい、地域コミュニティの活性化、各施策の一元的な推進に向けた方向性の検討を進めてまいります。

III 高齢者施策(定期巡回・随時対応型サービス・認知症ケア)について

次に、高齢者施策について申し上げます。

定期巡回・随時対応型サービスの開始

一点目は、本定例会において、地域密着型サービスの基準を定める条例制定の提案を行っており、そのサービスの一つである「定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービス」を新年度からスタートさせることであります。
本サービスは、重度者を始めとした要介護高齢者の在宅生活を支えるため、日中・夜間を通じて、訪問介護と訪問看護を一体的に、またはそれぞれが密接に連携しながら、定期巡回とともに随時の対応も行う、まさに24時間365日対応型のサービスであります。
私はこれを、地域包括ケアの中核を担うサービスにもなり得ると考えており、千代田区内での質の高いサービス提供を確保してまいります。

認知症ケアの推進

二点目は、認知症ケアの推進についてであります。
認知症高齢者は、行動・心理上の症状から、家族や介護者への負担が大きくなる場合があります。尊厳ある本人の暮らしと家族の介護負担を軽減するよう、地域での支援の仕組みづくりとともに、早期発見・診断・治療により、少しでも認知症の進行を遅らせるための支援サービスが必要になると考えます。
平成25年度は、これまでの取り組みに加え、福祉・介護サービスを利用していない高齢者等に訪問調査を実施し、地域に潜在する認知症高齢者が重症化する前に発見を図る「認知症早期発見の仕組みづくり」に取り組みます。さらに、発見された認知症高齢者の生活を、チームを編成して支援する「認知症支援サービス」の構築に向けた調査を行ってまいります。
以上、平成25年度の高齢者施策の取り組みについて二点述べましたが、こうした取り組みで得たノウハウは、平成27年度に開設予定である(仮称)高齢者総合サポートセンターへしっかりとつなげてまいります。

IV 子ども施策(遊び場・いじめ対策・予防接種)について

次に、子ども施策について申し上げます。

遊び場

まず、子どもの外遊びを推進する取り組みについであります。
かつて、私たちが子どもだった頃には、仲間たちと一緒に、恵まれた自然の中で、陽が落ちるまでボール遊びや鬼ごっこなどに明け暮れ、遊び道具がなければ、近くにあるものを代わりに使ったり、今までの遊びに飽きれば、自分たちで新しい遊びやルールを作ったりしたものです。子どもが「遊びの天才」と呼ばれる所以であります。
また、人間関係や規範意識といった社会性も、同年齢、あるいは年上、年下の子ども達との交流を通じて自然と学んできました。体力や運動能力についても、外遊びを通して意識せずに育んできました。
一方で、周りの大人も、子ども同士のことに深く干渉せず、遊び声についても騒々しいと受け止めず、温かく見守るなど、社会全体に「子どもは外で遊びながら育つもの」という理解があったように思います。
ところで、子どもが外遊びをするためには、「時間」「空間」「仲間」の三つの「間」が必要であるといわれていますが、最近ではそれらが失われつつあるように感じます。
とりわけ都市化が進展した本区では、身近な自然が減少し、公園や広場には公共空間としての規制などがあるため、子どもが自由に遊べる「空間」が少なくなってきています。また、テレビゲームなど室内遊びの普及や塾、習い事の増加により、昔と比べて外で遊ぶ「時間」にも制約があり、さらに「仲間」づくりについても、少子化に伴う子どもの減少などにより、難しくなってきています。
こうした中、区では子どもの遊び場確保に向け、昨年6月、学識経験者や区民等で構成する「子どもの遊び場確保に関する検討会」を設置し議論を重ねるとともに、利用者や地域の声を聴きながら、区立公園や廃校の跡地を活用した遊び場の試行運用を行いました。
昨年12月に提出された報告書では、当面、麹町・神田の両地区に遊び場を1か所ずつ整備することや、地域の要望や協力体制等を踏まえ、最終的には各小学校の学区域ごとに遊び場の確保を目指すこと、民有地等の活用も含め、区民や事業者等に協力を求めていくことなどが提言されています。また、将来的には、子ども専用の遊び場(プレーパーク)の整備を視野に入れることも報告されました。
区では、この報告書を踏まえ、来年度から子どもの遊びに関する施策を進めていくため、区の取り組みや区民・事業者等の基本的な役割等を盛り込んだ「子どもの遊び場に関する基本条例」をご提案したところです。条例は、前文に小学生の声も取り入れ、区民や事業者等すべての人々が、子どもの外遊びの必要性・重要性を認識するとともに、地域全体で子どもの外遊びの環境づくりを推進していくことを理念的に謳っています。
現在、本年4月に麹町と神田地区、各1か所の遊び場指定に向け検討を行っておりますが、今後、他の遊び場についても、地域の声を伺いながら拡充に向け取り組んでまいります。

いじめ対策(問題)

二点目は、いじめ問題に対する取り組みについてであります。
私は、平成24年第3回区議会定例会のなかで、「いじめは、何時でも、何処でも、誰にでも起こるという認識と、人権を侵害する許されない行為であるという認識のもと、早期に現在の取り組みを検証し、新たな方策を進めていく必要がある。」ことを申し上げました。また、学校・家庭・区民が一体となり、子どもの「心のSOS」に耳を傾け、区民の皆様とともにいじめのないまちづくりを推進するため、子どもたちへのメーセージを出させていただきました。
先月末に、大津市のいじめ事件についての第三者委員会の報告書が提出されました。その報告書を読み、改めて、いじめ問題への対応の必要性を強く感じているところであります。
第三者委員会の提言では、子どもに直接関わる教員に対しては、子どもの心の叫びを敏感に読み取る感性を磨くことや他の教員との協力協働の体制をつくりあげることを述べています。
また学校に対しては、学校が子どもにとって最も安全・安心な場所になるよう、多くの子どもが希望している「生徒に向き合う時間」を確保するなど、学校づくりの全体構想にいじめ克服を大きなテーマとして位置づけなければならないことなどが述べられています。
本区におきましては、これまでも、様々ないじめ対策に関連した取り組みを行ってまいりました。中でもスクールカウンセラーについては、中学校はもとより、本区独自に小学校、さらには幼稚園・こども園・保育園・児童館にも派遣し、幅広い年齢層の相談に対応してきたところであります。
いじめ対策については、来年度からは「いじめ防止プロジェクト」として、これまでの取り組みを充実させるとともに新たな施策も加え、未然防止・早期発見・早期対応できるよう学校・家庭・地域が連携した取り組みをさらに強化してまいります。
まず、子どもたちの相談については、子どもたちが「相談したいときにいつでも相談できる」ように、休日や夜間も含めて24時間・365日対応できる「いじめ相談ホットライン」を開設します。
また、既に小学校に派遣しているスクールライフサポーターを新たに中学校・中等教育学校に派遣します。多感な中学生の気持ちに寄り添い、子どもたちと日常的に接する中で、いじめにつながるような問題の未然防止を図れるよう、中学生と年齢の近い大学生をサポーターとして派遣します。
さらに、学校に対しては、教員一人ひとりのいじめ問題に対する課題意識と感性を磨くための教員研修等をさらに充実させるとともに、弁護士や臨床心理士を始め、子どもにかかわる関係機関の職員を構成員とする「健全育成サポートチーム」を充実させ、いじめ問題に多面的・多角的かつ速やかに対応できるようにしてまいります。
そして、家庭への支援など、学校内だけで十分な対応ができない問題等については、社会福祉士等の資格を有するスクールソーシャルワーカーを導入し、関係機関とのネットワークによる子どもや家庭への支援を行ってまいります。
これらの取り組みを有効に活用し、子どもたちが安全・安心して生活できるようにしていくためには、区民の皆様のお力添え無くしては実現できません。いじめは絶対に許さないという強い意志のもと、今後もいじめ問題に取り組んでまいりますので、是非ともご理解とご協力をお願いいたします。

予防接種

三点目は、地域において子どもの健康を守り、健やかな成長を支えるための予防接種についてであります。
子どもが健やかに成長するためには、定期的な健診などによる成長段階に応じた健康管理と、保護者が安心して子育てができるような施策が必要です。
区では、出産前から定期的に妊婦健診が受けられるような体制を確保するとともに、出産後の家庭訪問、乳児期からのきめ細かな健診や、相談体制の充実など、子どもの健康を守るための様々な事業を実施しております。特に5歳児健診については、23区で唯一、5歳児全員を対象として実施しているところであります。
また、子どもの病気を予防するために、様々なワクチンの導入が進んでおり、生後早い時期から多くの予防接種が行われるようになっています。保護者の負担を軽減し、適切な時期に子どもが予防接種を受けられるよう、区では多くのワクチンの接種費用を助成しているところですが、そのうちヒブワクチン、小児肺炎球菌ワクチン、子宮頸がんワクチンの3種については、来年度には法に基づく定期接種となり、無料化する見込みです。
さらに、おたふくかぜ、みずぼうそうの予防接種についても、区では接種費用の一部を助成しているところですが、来年度は、千代田区独自に全額助成を実施し、23区で初めて無料といたします。
このような施策により、子どもの病気を予防し、安心して子育てができるような環境づくりを、一層進めてまいります。

V地域防災計画の改定と今後の防災対策について

次に、地域防災計画の改定と今後の防災対策について申し上げます。

平成23年3月11日に発生し、未曾有の大規模災害となった東日本大震災から、間もなく2年が経とうとしております。
昨年度、千代田区では、この東日本大震災で浮き彫りになった課題等を踏まえ、区で取りうる当面の防災対策について、いち早く千代田区地域防災計画を改定しました。計画では、特に、本区の特性として、昼夜間人口の差が大きく、区内居住職員が少ないことなど発災時間帯によって状況が全く異なることを踏まえ、平日の昼間、休日、夜間など発災時間帯ごとの初動対応を導入するなど千代田区独自の対策を盛り込んだものとしました。このほか、情報連絡体制の強化、帰宅困難者対策の見直し、避難所の自主設置をはじめ、より千代田区の地域特性を反映した対策とするなど、今後の区の防災対策の大枠について、計画化いたしました。
これらを受けて、より実効性の高い防災対策を構築するため、今年度は、主に次の二つの観点で見直しを進めてまいりました。
一つは、昨年度の計画改定を踏まえ、さらに対策の具体化や補強を図るものです。特に重点的に検討すべき事項である、避難所運営、帰宅困難者対策、情報連絡、本部運営、女性の視点での防災対策については、それぞれ作業部会を設置し、検討いたしました。
もう一つは、昨年4月に公表された「首都直下地震による東京の被害想定」を踏まえるとともに、昨年11月に修正された東京都地域防災計画との整合を図るものです。
その結果、まず、情報連絡体制では、大規模災害時の通信の途絶に備え、多様な情報通信手段を確保いたしました。昨年度の改定に基づき、緊急速報メールやツイッターの導入、デジタル式無線機の配備拡大などを実施していますが、さらなる対策の充実に取り組みます。
医療救護対策では、災害時に、医療機関の被災状況や医療ニーズ等の情報を集約するための「医療救護活動拠点」を設置するほか、区内医療救護活動を統括・調整するため、「千代田区災害医療コーディネーター」を設置します。また、災害時の区内医療機関との連携強化を図ります。
避難所運営では、女性に配慮した運営体制の整備や、同行避難した動物の救護に関する対策、ボランティアの受入態勢の整備などを進め、避難所の機能を強化します。特に、女性外部委員による防災女性部会でご提案いただいた、避難所運営への女性の参画やプライバシーへの配慮、女性のニーズに対応した物資の備蓄等は、早期に取り入れてまいります。
災害時要援護者対策では、これまでの「二次避難所」を「福祉避難所」へと呼称をあらためるとともに、新たに2施設を福祉避難所として追加指定いたします。今後、具体的な運営方法等について関係者で協議を進めます。
帰宅困難者対策では、災害時の混乱による区民生活への影響を最小限に抑えられるよう、事業所に、従業員等の一斉帰宅の抑制や3日分の備蓄の確保を促す取り組をさらに強化するとともに、民間施設との協定による一時受入施設の確保を一層拡大してまいります。また、帰宅困難者への情報提供として、駅前の電子表示板(デジタルサイネージ)等を活用した、より効果的な情報提供手段を導入してまいります。
職員体制では、新たな参集基準や職員配置に基づく本部体制を確立し、災害時の応急対応力の向上につなげます。
このほか、計画全般にわたり、各防災機関の最新の計画や対策を反映してまいります。
来年度は、風水害対策として東京都地域防災計画・風水害編の修正に合わせた改定を行うほか、大規模事故対策の見直しや火山噴火対策の追加などを行い、総合的な災害対策を構築してまいります。
これらの計画を着実に具現化し、防災・減災への取り組みを進めていくことで、千代田区災害対策基本条例に掲げる「防災力の高い安全なまち」の実現を図ってまいります。

VI 都市基盤施設の安全性・快適性の向上について

次に、都市基盤施設の安全性・快適性の向上について申し上げます。

首都東京の中心である千代田区は、道路・橋梁や上下水道等のライフライン、あるいはJRをはじめとする公共交通機関といった都市基盤が高度に整備されており、区民の日常生活や活発な都市活動を支え続けております。
こうした施設は、全国に先駆けていち早く整備されたため、その多くが老朽化に伴う対応を迫られており、また、いつ起きてもおかしくない首都直下地震等への備えを考えれば、都市インフラの安全性・快適性を高めることが、区民の安全・安心を確保する観点から急務と考えております。
しかし、こうした都市基盤を一斉に更新することは、莫大な費用の確保に加え、区民生活や都市活動に大きな影響を及ぼすことから現実的ではなく、予防保全の観点から計画的な維持・改修や民間活力を活用した整備を進めていく必要があります。
具体的には、河川や鉄道を跨ぐ橋梁は、交通の結節点となる重要な施設であるため、現在、日常や定期の点検を着実に実施し、予防的な補修や改修に取り組んでいます。
また、約130kmある区道については、日常的な点検や補修による安全確保に努めながらも、交通状況や耐久性等を考慮して、計画的な整備改修を進めております。整備に当たっては、歩行者の安全性・快適性の向上を基軸に据え、歩行空間のバリアフリー化やヒートアイランド現象の緩和に役立つ透水性舗装等を一層進めるとともに、災害時の円滑な救援・救護活動に資する歩行空間の確保や電線類の地中化を推進してまいります。
さらに、快適な都市生活の憩いの場となる公園等の施設についても、災害時の避難所機能の確保や都市緑化の増進のため、拡充することが求められております。しかし、地価が著しく高い千代田にあっては、区独自での整備や拡大を図ることは難しい状況であります。
このため、様々な開発の機会を捉え、まちづくりの観点から、民間活力を活用しながら、電線類の地中化を含めた道路整備やオープンスペースの創出を図ってまいります。
ところで、区有財産の安全・安心の確保や有効活用に係る方策については、区民の皆様とともに考えていくことが重要であると考えています。現在、道路・橋梁等の都市基盤や庁舎などの区有建築物に関しては維持管理を含めて、これまでも保全システムにより進めてきたところです。
今後、予防保全的な管理・修繕を計画的に進めることはもとより、さらに公共施設の効率的かつ円滑な機能更新を図ってまいります。そのために利用状況や老朽化の現状などを精査し、また新たな行政ニーズも含めて、その方向性をまとめ区民の皆様にお示ししたいと考えております。

VII 環境・温暖化対策の今後のあり方について

次に、環境・温暖化対策の今後のあり方について申し上げます。
近年の人間活動の拡大に伴って、二酸化炭素、メタン等の温室効果ガスが人為的に大量に大気中に排出されることで、地球が過度に温暖化するおそれが生じています。将来にわたって良好な環境を子どもたちの世代に残すために、地球環境問題は大変重要な課題です。そうした中、地球環境にやさしい低炭素社会実現に向けた取り組みは、新たなまちの価値を生み出すものであり、未来に向かって千代田区という街の魅力を高めることにもつながるものであります。
このような認識のもとに、千代田区は、日本の自治体で初めて、二酸化炭素を2020年(令和2年)までに1990年(平成2年)比25%削減するという意欲的な数値目標を掲げた地球温暖化対策条例を平成19年12月に制定しました。
そして、高度な業務機能が集積する都心区としての特徴を踏まえ、ハード・ソフト両面の対策を、区民や事業者の皆様とともに推進してまいりました。特に、既存の建物の省エネ化を地域ぐるみで進める「グリーンストック作戦」は、省エネ診断に基づく設備改修を効率的に進める事業として、一定の成果をあげてきているものと認識しております。
一方で、千代田区は活発な経済活動を反映し、オフィスなどで電力を始めとしたエネルギーを大量に消費しております。
しかし、そのエネルギー源のほとんどは、区外に依存している状況にあります。現在、東日本大震災による原子力発電の停止により電力の供給が逼迫し、その需給体制の抜本的な見直しが求められるなど、電気エネルギーをめぐる環境は大きく変化しております。万が一、政治・経済の中枢機能を有する千代田区で電力供給に支障が生じた場合、その影響は区内外に対し計り知れないものがあります。
千代田区の置かれたこうした状況を踏まえたとき、これからは、平常時はもとより大規模災害や緊急時にも対応できる事業活動や地域活動の継続を想定した、面的な観点からの新たな地域エネルギー供給のあり方について、具体的な対策を作る必要があります。
平成25年度は、環境モデル都市行動計画改定の時期にあたることから、こうしたエネルギーを取り巻く環境変化も踏まえ、国や東京都、企業と連携をとりながら、環境・温暖化施策の充実を図ってまいります。
また、環境にやさしい交通手段として自転車利用が見直されておりますが、一方で安全な自転車走行空間の確保や駐輪対策、マナー向上など自転車利用に関する課題がクローズアップされております。
そこで、平成25年度は、区の特性を踏まえ、自転車道や駐輪場の整備、放置自転車対策、コミュニティサイクルやレンタサイクルの実施の他、安全利用のためのルールやマナー向上などの観点から、自転車利用に関する総合的な指針となる「自転車利用ガイドライン」の策定を進めてまいります。

VIII 参画と協働のさらなる促進と第3次基本計画の改定について

次に、参画と協働のさらなる促進と第3次基本計画の改定について申し上げます。
地域住民のニーズを的確に把握することが地方自治体の仕事を進めるうえで何より重要なことであります。区民に最も身近な基礎的自治体である千代田区の最大の強みは「現場」を持っていることであります。
それは、区の業務や事業を通じて、住み、働き、学ぶ人々の様々な意見や悩み、ニーズを直接受け止め、ともに考えることができることであります。
冒頭でも述べましたが、私はこれまで常に「まち」に出ることを心がけてまいりましたし、職員にも積極的に地域へ出て汗をかき、まちの声に耳を傾け、まちの状況を把握し、自ら感じとり考えるようにと促してまいりました。
こうした日々の業務を通じて、区民の声が時には職員への叱咤激励となり、時にはより効果的な施策や事務事業を生み出すきっかけとなっております。現場の意見や住民ニーズを的確に把握し、区政に反映させていくことが、誰もが「住み、働き、学んでいて良かった」と思える千代田区を実現していくことにつながるのであります。
一方で、私がこれまで区政運営の基本方針として掲げてまいりました「共生社会の実現」をさらに一歩推し進めるためには、現場でいただく区民の皆様からのニーズを単に受け止めるだけでは不十分なことも事実であります。
区が発信する情報の質と量を向上させ、様々な情報提供の方策を駆使し、施策や事業の計画段階から区政運営の様々な場面で積極的に参画と協働の機会を提供し、区民の「声なき声」を吸い上げていくという取り組みが肝要であります。
そして、こうした地道な取り組みの積み重ねが、区政運営における区民参画の裾野を広げるとともに、区民自らが千代田区の魅力を知り、誇りを持つきっかけとなります。そのことが、真の住民自治を築き上げる結果となり、私が区長就任後に策定した「千代田区第3次基本構想」の将来像に掲げる「都心の魅力にあふれ、文化と伝統が息づくまち千代田」を実現するものと考えます。
こうした信念のもと、平成26年度までを計画期間とする現行の「千代田区第3次基本計画」の改定にあたり、区政の様々な分野における課題を区民の目線で捉え反映させていくために、新年度から着手する基本計画改定のプロセスにおいても区民参画による検討の仕組みを導入してまいります。

IX 議案

最後に、今回ご提案いたしました予算案件及び条例関係等の諸議案についてであります。
先ず、予算関係でありますが、

  • 平成24年度の補正予算が2件、
  • 平成25年度各会計予算が4件で、

計6件であります。
次に、条例関係でありますが、

  • 新たに条例を制定するもの4件、
  • 条例の一部を改正するもの16件で、

計20件であります。
次に、

  • 特別区道の路線の廃止1件であります。

以上今回の付議案件は、合計27件であります。
なにとぞ、諸議案につきましては、慎重ご審議の上、原案どおりご議決賜りますようお願い申し上げまして、平成25年第1回区議会定例会開会のご挨拶といたします。
平成25年2月28日 千代田区長 石川 雅己

※本文は口述筆記ではありませんので、表現その他が実際の発言とは若干異なることがあります。

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〒102-8688 東京都千代田区九段南1-2-1

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