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更新日:2018年2月21日

平成30年第1回千代田区議会定例会 招集挨拶

平成30年第一回区議会定例会の開会にあたり、私の区政運営における所信を申し上げます。

はじめに

近年、国や東京都において、少子高齢社会への対応や持続可能な経済成長の実現に向け、『人』に視点をおいた施策が推進されています。
特に最近は「働き方改革」や「人生100年時代」と言われるように、長時間労働の是正や待機児童の解消、高齢者の就労促進など、企業や医療機関を含むさまざまな取り組みが進められているのも「人づくり」に向けた取り組みであります。

本区では、誰もが生きがいを持って、個々の能力を発揮できる社会の実現に向けて、「子育て支援」や「高齢者の社会参加の促進」、「障害者の就労支援」などの充実を積極的に展開してまいりました。
これらの取り組みを円滑に進めるための人材育成、「人づくり」は、施策の推進に極めて重要な役割を果たしていると認識し、近年その育成に力を入れているところであります。

「子育て分野」で申し上げれば、私は、子どもの成長と子育て支援は、明るい未来を築いていくための投資であるという考えを基本に施策を進めております。
更には、安心して子育てができ、子どもたちが将来に向けて夢や希望の持てる社会の実現がすべての方々の願いであると考え、教育や福祉などの施策を支えている教員・保育士等の支援及び負担軽減に向けて、専門職の増配置や処遇改善、奨学金の返済支援など、実態に即した支援制度をこれまで以上に充実してまいります。
また、「高齢者分野」で申し上げれば、高齢になっても住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、さまざまな施策を進めております。高齢者の生活を支える介護人材をしっかり確保し、定着させ、育成していけるよう、ケアマネジャーへの研修費助成や介護従事者への奨学金返済支援、介護施設内への保育機能整備助成など新規事業に積極的に取り組んでまいります。

今後も、こうした「人づくり」の施策を推進することにより、将来の世代が安心していきいきと暮らし続けられる「豊かな地域社会」の礎を築いてまいります。

1.「住宅宿泊事業」に関する取り組みについて

次に、「住宅宿泊事業」に関する取り組みについて申し上げます。

「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」を控えて急増する訪日外国人等への対応として、「住宅宿泊事業法」、いわゆる「民泊新法」が、昨年6月に公布され、本年6月15日から施行されます。

一方、政省令や国のガイドラインの公表が遅れたことなどにより、多くの自治体が手探りで対応に追われたことはご案内のとおりでございます。

人口減少による過疎化が進み観光客を増やしたいものの宿泊施設が少ない自治体と、人口が密集しホテル等宿泊施設の整備された都市部の自治体では、当然「民泊」への需要は異なります。
観光立国は政府の成長戦略の柱でもあり、所有からシェアへという経済の動向も理解はいたしますが、「民泊」に関しては、地域の実情を考慮した対応が必要だと考えます。

本区では、ここ数年、違法民泊と認識される事例が増加しております。「夜遅く大きな荷物を持ち大声で話す人が出入りしている」、「ごみが放置されている」などの苦情が保健所に寄せられ、実態調査や指導などの対応をしております。また、感染症の発生などのリスクにもつながることから、地域の安全に対する区民の不安が増大しており、その解消が喫緊の課題となっております。

区民の安全を確保し、安心を支える区の役割を果たすためには、民泊新法の施行にあたって、厳しいルールを規定することが必要であるとの認識のもと、有識者等で構成する『民泊サービスのあり方検討会』を設置し、多角的に慎重な論議をしていただきました。この検討会の論議に加え、パブリックコメントに寄せられたご意見や議会のご論議等も踏まえ、本区議会定例会に、宿泊者の安全・安心の確保及び周辺住民の安全で快適な生活環境の維持を目的とした条例案を提案させていただいております。
また、違法民泊への対策として、旅館業法及びその政省令が改正され、無許可営業者に対する立ち入り権限や罰則が強化されたことを踏まえ、違法な民泊事業者・施設に対しては、警察・消防などの関係機関とも連携しながら、厳しく取り締まってまいります。
さらには、民泊に関する窓口を一元化して、相談や苦情に対応できるよう新たな組織を設置し、区民や宿泊者の安全・安心の確保に努めてまいります。

2.平成30年度予算(案)について

次に、「平成30年度予算(案)」について申し上げます。

平成30年度予算(案)の概況

まず、平成30年度予算(案)の概況についてであります。

平成30年度予算(案)は、「ちよだみらいプロジェクト 千代田区第3次基本計画2015」がめざす、安心して暮らせる「豊かな地域社会」の実現に向け積極的な施策展開を図ること、また、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」を契機とした積極的な施策展開を図ることを基本方針として編成いたしました。
また、重点事項といたしましては、住民に最も身近な基礎的自治体として重要な役割を果たしていく観点から、「次世代育成に関する取組み」、「保健福祉に関する取組み」、「危機管理に関する取組み」、「環境対策に関する取組み」の4つを定めております。

その結果、少子高齢社会への対応など、ソフト面の施策に伴う予算の拡充に加え、区立九段小学校・幼稚園の改築など投資的経費が大幅に増加することから一般会計予算が620億円、3つの特別会計を合わせた全会計合計では735億円となり、これらはいずれも過去最大規模の積極的な予算となっております。

重点事項別の主な事業

それでは、これらの具体策について申し上げます。

次世代育成に関する取組み

重点事項一つ目は「次世代育成に関する取組み」であります。

まず、「保育園・学童クラブの待機児童対策」について申し上げます。

区では、子ども人口が急激に増加する中、施設整備や運営費補助の充実、人材確保や定着に向けた支援などに積極的に取り組んでまいりました。
しかし、子ども人口の増加と共働き世帯の増加に伴う保育需要はさらに高まっており、より一層、待機児童に対する取り組みが求められております。

そのため、平成30年度には、私立認可保育所6か所の開設準備を進めてまいります。さらに、保育士の安定的な確保に向けて、区内の私立保育施設に勤務している保育士の奨学金の返済を支援する「保育士奨学金返済支援助成」を新たに実施してまいります。
また、学童クラブにつきましては、麹町地区、神田地区に2か所の開設をめざしてまいります。さらに、学童クラブを含めた子育て事業に従事する職員の給与等の処遇改善策を新たに導入し、人材定着を図るとともにスキルアップやサービスの向上につなげてまいります。

次に、「学校教育」について申し上げます。

区ではこれまで、学校等への専門アドバイザーの派遣や発達障害など特別な教育的支援が必要な児童等に向けた特別支援教育の充実、地域特性を踏まえた学校独自の教育活動を推進し、児童や生徒一人ひとりの個に応じたきめ細やかな指導・支援を推進してまいりました。
しかし、子ども人口の増加や多様化する障害への対応など、さらなる事業の拡大が必要となっております。

平成30年度は、小学校の特別支援教室の拠点校を2校から4校に増設し、巡回指導教員を増配置するほか、幼稚園・こども園に対しても特別支援教育指導員を新たに配置してまいります。
また、高い専門性を有する部活動の外部指導員を増員し、生徒の意欲や技術力を向上させるほか、試合への引率等について教員と同等の責任を担うことができる「部活動指導員」を新たに配置し、教員の負担軽減にも努めてまいります。

保健福祉に関する取組み

重点事項二つ目は「保健福祉に関する取組み」であります。

まず、「障害者施策」について申し上げます。

「障害者施策」は、対象者数が高齢者に比べて少なく、個別の対応が必要な状況が多くなります。本区の障害者施策は、障害のある方とその家族に寄り添い、障害者が地域で自立した日常生活や社会生活が送れるよう、法定内サービスの提供とともに法定外の独自サービスの充実に努めてまいりました。
障害者の施設としては、平成19年に、外神田一丁目にあった知的障害者の授産施設「福祉作業所」の設備や事業を拡充して、区役所本庁舎内に就労支援施設「ジョブ・サポート・プラザちよだ」を開設いたしました。また、身体障害・知的障害に加え、精神障害が障害福祉の対象となったことも踏まえ、老朽化し狭隘な「富士見福祉会館」を廃止し、平成22年には、神田駿河台の「三楽病院」隣にグループホームを含む新たな機能を備えた障害者福祉センター「えみふる」を開設しております。
本区では、この二つの施設を中心に障害者施策が展開されてまいりましたが、障害者権利条約、総合支援法等関連法の趣旨を踏まえ障害者を地域で総合的に支えるために、さらに、増加傾向が顕著な精神障害者の就労支援や社会参加などをより一層、支援していくために、新たな施策展開が求められております。
そのため、まずは支援の入り口となる相談体制の充実であります。障害者とその家族・関係者の日常生活に係るさまざまな困りごと、悩みを受け止め、相談に応じ、支援につなげるために、「障害者よろず総合相談」を開始いたします。
就労支援では、平成30年度から、障害者の法定雇用率に精神障害者が追加されることも踏まえ、障害者就労支援センター事業での精神障害者対応を充実するとともに、精神障害者を対象とする就労継続支援施設を誘致するための助成制度を開始します。
あわせて、既存のビルを活用して民間事業者が精神障害者グループホームを整備・運営できるように補助してまいります。
さらに、障害のある方、その家族が従来から強くご要望されている入所施設を備えた総合的な支援の拠点施設について、障害者福祉センター「えみふる」の活用と合わせて検討を進めてまいります。

次に、「高齢者施策」について申し上げます。

超高齢社会を迎え、特に団塊の世代がすべて後期高齢者(75歳以上)となる7年後の令和7年を目前に、地域包括ケアの構築、推進が大きな課題となっております。
地域包括ケアは、地域の特性によってはさまざまでありますが、住まいを中心に、介護・医療・介護予防・生活支援・福祉サービスが相互に連携しながら在宅での生活を支えていく仕組み・環境の整備に取り組んでおります。同時に、本区では高齢者施設の整備や運営の支援にも積極的に取り組んでおります。
地域包括ケアの推進と高齢者施設の整備が求められる背景には、家族構成やライフスタイルの変化があります。今や本区の高齢者の半数以上が高齢者のみの世帯、または一人暮らしであります。この傾向は今後ますます顕著になります。
本区では、高齢者の生活を支えるために介護保険サービスだけでは不十分との認識で高齢者福祉施策の充実を図ってまいりました。
しかし、行政の施策充実だけでは、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる千代田区の実現はできません。地域全体で見守り、さまざまな職種が連携して高齢者の生活を支える地域包括ケアの重要性がますます高まっております。

そこで平成30年度は、相談体制の一層の強化、地域での見守りの充実、福祉人材の確保、介護施設運営法人への支援を一層充実してまいります。
主な具体的な取り組みとして、まず、大きな社会問題となっている特殊詐欺から高齢者を守るため、警察をはじめ関係団体との連携を取りながら、「自動通話録音機」を区内在住の65歳以上が居住する世帯を対象に無料で配付する事業を開始いたします。
また、介護サービス事業所への支援として、地域包括ケアの中核を担うケアマネジャーの研修費用助成や、腰痛予防を目的としたサポートウエアの配付を行ってまいります。
そのほか、介護施設への支援として、事業所内保育所機能の整備助成や、介護施設改修に係る助成なども進めてまいります。

危機管理に関する取組み

重点事項三つ目は「危機管理に関する取組み」であります。

「まち」全体が安全で、安心できるということは、区民の皆さんのみならず、「まち」を訪れる方々にとっては、その「まち」の魅力という点においてもたいへん重要な要素となっております。まさに、社会的インフラであろうと思います。
本区では、これまで安全・安心なまちづくりに向けたさまざまな施策を、地域の皆さまと共に進めてまいりました。
一方、集中豪雨などの「都市型災害」、近い将来に発生が予想されている「首都直下地震」などに加え、「感染症」や「テロ」等へ備えるため、ハード、ソフト両面において、さらなる危機管理対応力を高めていく必要があります。

平成30年度は、誰もが安全で、安心して、快適に移動しやすい地域交通環境を整備するため、鉄道駅のホームドア整備の支援や駅構内の更なるバリアフリー化推進に向けた鉄道事業者への働きかけを行うほか、歩道の設置・拡幅整備や橋梁の整備などに取り組んでまいります。
また、区内における事件・事故の発生を抑制するため、安全・安心パトロール車の運行台数を増やし、区内の警戒活動を強化してまいります。
さらに、区民・事業者・来街者等、地域を構成するすべての方々の助け合いによる減災のまちづくりを進めるため、防災士資格の取得、及び地区防災活動に対する新たな補助制度の設置や本区の地域特性を反映させた防災訓練の実施など、地域防災力の向上を積極的に支援してまいります。

環境対策に関する取組み

重点事項四つ目は「環境対策に関する取組み」であります。

今、国際社会は地球温暖化という共通の課題に直面しております。地球温暖化は、単に気温の上昇をもたらすだけではなく、地球上の気候変動により、水資源、生態系、気象災害、健康、食料供給など、さまざまな分野に影響が及びます。こうした気候変動を抑制・緩和するためには二酸化炭素をはじめとした温室効果ガスの排出量の削減が必要であり、区・区民・事業者などが力を合わせていかなければなりません。
次の世代に負担を先送りするのではなく、持続可能な社会づくりを進め、誰もが安心して暮らすことのできる環境を将来の世代に受け継いでいくことが重要であります。

平成27年12月、「COP21」において、世界196か国の合意により、地球温暖化対策の新たな国際的枠組みである『パリ協定』が採択されました。この主な内容は、各国が主体的に目標を決定し、それを国際的に公表し、実施することとしております。
本区では、平成19年12月に区内のCO2排出量の具体的な削減目標を条例に掲げ、CO2排出量の削減に取り組んできたところです。今後も地球温暖化に対する主体的な取り組みを進めてまいります。
また、区を含む地方自治体には、CO2削減の先導役として、自らの事務事業に伴い発生する温室効果ガスの排出抑制等に関する計画の策定と公表が義務付けられており、平成30年度から第4次計画がスタートする予定でございます。

平成30年度は、「区有施設・設備等における省エネルギーの推進」や「区有施設の省エネルギー対策」、「低炭素エネルギー供給の導入拡大」、「地方との共生に向けた連携の構築と取組の推進」の4つを柱に事業を展開してまいります。
特に、「区有施設の省エネルギー対策」につきましては、施設ごとにその用途や特性に応じた省エネ目標を設定するとともに、省エネに向けた具体的な取り組みを示すことにより、区有施設における省エネを着実に推進してまいります。
また、「低炭素エネルギー供給の導入」につきましては、可能な限りCO2排出量の少ない電力を利用することにより、区有施設におけるCO2排出量を削減いたします。
さらに、区が率先して低炭素型電力を利用することにより、区民や事業者に再生可能エネルギーの利用に関する普及・啓発を行い、これを通じて、低炭素社会の実現に寄与してまいります。

次に、「地方との共生に向けた連携の構築と取組の推進」についてですが、地球温暖化は、国内においては、都市と地方共通の課題でもあります。消費するエネルギーのほぼすべてを地方に依存する本区は、エネルギー大消費地の責務として、率先して地球温暖化対策に取り組んでいかなければなりません。
とりわけ、「エネルギー利用によるCO2排出量ゼロのまち」をめざす本区と、エネルギーを供給する地方がお互いの強みを生かし、低炭素社会の実現にむけて手を携え、協調することは、本区と地方が共に持続的発展を果たすためにたいへん意義のあることであります。このため、多様なエネルギー資源を持つ地方と協調・連携し、区内のCO2排出量の削減と地方の活性化などを両立するための方策を検討し、連携に向けた体制の構築に努めてまいります。

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組み

次に、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組み」について、申し上げます。

現在、熱戦が繰り広げられております「平昌オリンピック冬季競技大会」と、3月中旬に開会される「平昌パラリンピック冬季競技大会」が閉会しますと、「東京2020大会」まで、2年数か月に迫ってまいります。
56年振りの開催となる競技大会を契機として、現在、まちの魅力や風格を一層高める総合的な施策を推進するため、『千代田区オリンピック・パラリンピック推進プロジェクトの取組み』を進めております。
具体的には、公共サインの整備・更新、Wi-Fi環境整備の推進、道路などのバリアフリー化などハード・ソフト両面から、多くの来訪者を受け入れるための環境整備に努めてまいりました。
今後は、高齢者や障害者はもとより、大人や子ども、外国人を含めた全ての来訪者を「安全・安心なまち」、「居心地の良いまち」として受け入れるため、千代田区観光協会のホームページ・リニューアルや公衆トイレのリフレッシュ、民間事業者へのトイレ開放の働きかけなど、『おもてなし』やユニバーサル社会の実現につなげてまいります。
また、次代を担う子どもや障害者を主な対象とする障害者スポーツ体験会の実施や、区民体育大会を始めとするさまざまなイベントを通した障害者スポーツの普及・啓発など、障害者スポーツの体験やふれ合いを経験する中で、障害のある方への理解を深め、共に助け合い、支え合う共生社会の実現に力を注いでまいります。

3つの保険料同時改定

次に、区民生活を支えている社会保険制度について申し上げます。

区は、「国民健康保険、介護保険の保険者」として、また、「後期高齢者医療保険の保険者である広域連合の構成員」として、区民生活を支える3つの社会保険運営を担っており、それぞれ特別会計を設けております。
平成30年度は、3つの保険料が同時改定される6年に一度の年に当たっております。

まず、国民健康保険料についてですが、都道府県が保険者となって財政基盤の安定化を図るため、都道府県単位化という大きな制度改正があり、保険料算定方法が大きく変更されました。
本区では保険料算定にあたり、制度改正の趣旨と年齢が高く所得が低い加入者が比較的多い国民健康保険の特性を踏まえ、他区に比較すると所得水準が高い加入者が多いという本区の現状を勘案するなど、多角的な検討をいたしました。

その結果、平成18年度以来、12年ぶりに「23区統一保険料方式」ではなく、独自の保険料率とすることで、高額所得層以外の方、すなわち概ね9割の方の保険料を引き下げ、区民生活への影響を最小限に留めることといたしました。

65歳以上の方々の介護保険料改定についても、高齢者の生活への影響を少なくするため、基金の活用など、制度の中で可能な限りの工夫をいたしました。
その結果、基準保険料額は5千300円となり、現行より月400円引き下げることで65歳以上すべての高齢者の負担を軽減することといたしました。介護保険料の引き下げは、平成12年度に介護保険制度が発足して以来、本区では初めてのことであります。

75歳以上の方が加入する後期高齢者医療につきましては、都内62区市町村で構成する「広域連合」が保険料率を決める仕組みになっておりますが、区市町村が法定外の負担を継続することにより、引き続き保険料率を抑制することで若干の引き上げに留めております。

一方、国においては、団塊の世代がすべて後期高齢者となる7年後の令和7年を見据え、年金・医療・介護などの社会保障制度全体の改革が進められております。
区民生活を支える基礎的自治体としては、社会保険制度の改正の動向を注視しつつ、制度の運用で可能な対応をしながら保険運営を担ってまいります。

今後10年間の財政見通し

次に、今後10年間の財政見通しについて申し上げます。

昨年11月、第四回区議会定例会の開会に際して、「地方消費税の清算基準見直し」が国において検討されていることを申し上げました。この問題に対して、区議会におかれましては「見直しの再考を求める意見書」を国に提出され、区長会でも東京都や都内市町村と共同して要請活動を展開した結果、平成30年度税制改正では小幅な見直しに留まることとなりました。
しかし、小幅な見直しとはいえ、本区への「地方消費税交付金」は十数億円減少することとなり、今後、より大幅な見直しが行われる懸念は一向に消え去っておりません。
また、平成31年度の税制改正では、『消費税10%への引き上げの際に、法人住民税法人税割の地方交付税原資化を更に進める』ことについての結論を得ることとされており、今後とも、国の税財政制度改革の動きを絶えず注視していくことが重要であると認識しております。

その一環として、平成30年度予算(案)の編成にあたり、今後10年間の財政見通しを作成するに際しては、現在のサービス水準を維持しながら、地方消費税の清算基準が3つのパターンで見直される想定を行い、試算をいたしました。

その結果は、平成30年度の清算基準のままであれば、安定した財政運営が継続できる見通しとなっております。
一方、「都道府県の清算基準」、「区市町村の配分基準」が共に平成31年度から大幅に見直される最も厳しい想定の場合には、現在約1千億円ある基金を令和7年度に使い果たし、10年後の令和9年度末には300億円近い赤字を抱え込むというたいへん厳しい見通しとなっております。
この試算を通じて、区がこれまで長年に渡って取り組んできた行財政効率化の地道な努力の成果も、今後の税制改正いかんによっては、数年で吹き飛んでしまうような事態も想定されることが確認できた訳であります。
そうした危機的な事態を招くことがないよう、特別区長会や東京都と連携しながら国への働きかけを積極的に行うほか、内部努力や施策の見直しを進め安定的な財政運営に努めてまいります。

3.議案

最後に、今回提案いたしました諸議案についてでございます。

まず、予算関係でありますが、平成29年度千代田区一般会計補正予算第3号の1件、平成30年度各会計予算が4件の計5件であります。

次に、条例関係でありますが、新たに条例を制定するもの2件、条例の一部を改正するもの15件の計17件であります。

次に、契約関係でありますが、区立九段小学校・幼稚園の物品の購入に関するもの2件、お茶の水橋補修補強工事委託協定の締結1件の計3件であります。

また、このほか、東京都後期高齢者医療広域連合規約の一部変更1件、指定管理者の指定1件で、今回の付議案件は、合わせて27件であります。

何とぞ、慎重なご審議の上、原案どおりご議決賜りますようお願い申し上げます。

以上をもちまして、平成30年第一回区議会定例会の開会の挨拶といたします。
ありがとうございました。

平成30年2月21日 千代田区長 石川 雅己

本文は口述筆記ではありませんので、表現その他が実際の発言とは若干異なることがあります。

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