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更新日:2019年9月25日

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令和元年第3回千代田区議会定例会 招集挨拶

令和元年第三回区議会定例会の開会にあたり、私の区政運営における所信を申し上げます。

はじめに

今年の夏も日本各地で「大雨」や「台風」の被害が発生しました。8月には、梅雨前線と湿った空気の影響で、佐賀県を中心に九州北部に猛烈な雨が降り、浸水や土砂崩れなどによって尊い人命が失われました。家屋や田畑などの甚大な被害も深刻であり、生活再建までの長期化が懸念されているところであります。

また、今月初めには「台風15号」が強い勢力を保ったまま関東地方・首都圏を直撃しました。短時間に天候が急変し、猛烈な風雨により交通機関の混乱、大規模停電など都市機能に大きな打撃を与え、これまであまり注目されてこなかった「風害」に対する事前対策の重要性を認識させられました。

改めて、これらの災害で亡くなられた方々に深く哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。

1.「災害対策」について

そこで、まず、災害対策について申し上げます。

この度の「台風15号」に伴う災害をはじめ、近年、気候変動の影響による自然災害のリスクは増大しております。『東京』のような大都市においては、今回のような強烈な台風などによる内水氾濫や交通機関の麻痺、倒木による停電、通信網の遮断など、さまざまな被害が発生する危険性があります。さらに、「直下地震」がいつ起きてもおかしくない状況にあります。

台風や地震などの発生を防ぐことはできませんが、災害の発生を想定し適切な準備をすることにより、被害を最小限に留めることは可能であります。

そこで、基礎的自治体の役割である、『住民の生命・財産を守る』ために、地域の実態を踏まえ、自然災害による被害を最小限に留めるための具体的・効果的な安全対策を強化する必要があると考えております。

具体的な対策の一例といたしまして、「大型台風」や「ゲリラ豪雨」などに伴い生じる恐れのある河川の氾濫がもたらす浸水想定区域を示した「洪水ハザードマップ」を作成し、区内の全世帯に配布するとともに、「広報千代田」やホームページなどを活用し、周知を図っているところでございます。

また、洪水で浸水した際の深さが一目でわかる「浸水深プレート」を区内の浸水想定区域内の公共施設5か所に表示し、「洪水ハザードマップ」の見える化に取り組んでおります。

さらに、大規模な災害から命を守るために、地域の皆さんによる「地区防災計画」や「コミュニティ・タイムライン」の策定をはじめ、各家庭における「マイ・タイムライン」などの作成を支援する取り組みも推進しております。

もとより、過去の災害事例を見ても明らかなように、行政だけで防災・減災を実現することには限界もあります。災害発生時には、自らの命を守る行動とともに、平常時から「自助」による対策が求められます。また、千代田区で暮らし、活動するすべての方々が相互に助け合い、支え合う「協助」の仕組みも不可欠であります。

それらの仕組みの円滑な運営に向けて支援を継続いたしますとともに、「公助」としての情報収集・発信、関係機関の連携をはじめ、さまざまな取り組みを強化しているところであります。

加えて、今回の「台風15号」の教訓として、職員の参集体制についても公共交通機関の運行などを考慮した、事前対応の見直しが必要であると考えております。

2.夏の暑さは自然災害レベル「熱中症予防」について

次に、熱中症予防について申し上げます。

気候変動に加え、ヒートアイランド現象により、猛暑や熱帯夜が続き、私たちの日常生活にさまざまな影響を与えております。

高温多湿の日本では、昔から少しでも涼しく過ごすために、いろいろな工夫がありました。しかし、近年、異常ともいえるほどに夏の暑さが厳しさを増しており、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調節機能が働かずに、体温上昇、めまい、最悪の場合は命をも脅かす「熱中症」がクローズアップされるようになり、「熱中症対策」関連の新たな商品が次々と発表されている状況です。

今年も『暑い夏』

総務省消防庁の速報値によれば、7月29日から8月4日までの1週間に「熱中症」によって救急搬送された方は都内だけでも1千857人。1日あたり265人以上にもなり、8月末日までの救急搬送人員は、4千人を超えるなど、猛暑と言われた昨年の梅雨明け後1か月の実績と変わらない状況でございました。

気候変動による猛暑という「災害」を防ぐことはできませんが、暑さによる健康被害である「熱中症」を予防することはできます。

区では、「熱中症」予防対策として、今年も区民の方だけではなく来街者も含め、「ひと涼み」することができる『ひと涼みスポット』を区内22か所の公共施設と、13の民間事業所等に設置し、熱中症予防の啓発グッズを配布して予防の啓発に努めました。

また、高齢になるほど「熱中症」を発症する危険性は高くなり、現に、救急搬送される方のうち、半数以上の方は「高齢者」となっております。

そこで区では、民生・児童委員や町会婦人部の皆さんに、地域の高齢者や障害者の方への「見守り」や「声かけ」をお願いする「地域の見守り」に加え、10年以上前から介護保険サービスを利用していない85歳以上の高齢者のみで暮らしている世帯を対象に、保健師や看護師、出張所の職員が個別に訪問をし、「熱中症」の正しい知識と対処方法の助言や体調確認を行いました。

これらの対策が功を奏して、7月1日から8月末日までの千代田区内3消防署において救急搬送された区民の方は、わずか5名と極めて少ない人数に止めることができました。

このようなきめ細かな対応は、「熱中症」による命の危険を避けるだけではなく、安心して暮らし続けられる千代田区の実現にもつながるものと考えております。

3.未来に向かって区民の生活を支えるために

さて、本定例会は、前年度に区が取り組んだ事業について、さまざまな観点からその成果や執行方法等をご検証いただき、それを次年度以降の事業に反映させるための決算議会であります。

本区は、誰もがお互いを尊重し、支え合う「共生社会」とともに「豊かな地域社会」の実現に向け、区民生活を支えるためにさまざまな事業を展開しております。

平成30年度は、「次世代育成に関する取組み」「保健福祉に関する取組み」「危機管理に関する取組み」「環境対策に関する取組み」を4つの重点事項として掲げ、各種の事業を執行いたしました。

平成30年度の区の仕事に関しては、重点事項の成果、各種事業の執行に関する評価、改善点、課題などについて、本定例会を通じてご指摘いただき、次年度の区政に生かしてまいります。

一方、今後の区政運営にあたっては、中長期的な見通しが重要であり、その中で想定される課題には今から取り組んでいくことが必要となります。

そうした中長期的な課題の1つは、「人口増加への対応」でございます。

我が国は、人類が経験したことのない急激な少子高齢化のただ中にあり、確実に「人口減少」が進んでおります。その中にあって、本区は少なくとも今後数年間、人口が増加する見込みです。

人口増加に伴い、特に保育園や学校に関するニーズが高まり、子育て基盤の整備や事業量の拡大が見込まれます。また、人口の増加は、災害時対応や扶助費等の事業費が増加する要因になります。人口が増えることに伴う行政需要の質と量の変化に的確に対応していくことが重要であります。

2つ目は、人生100年時代を見据えた高齢者施策です。「長寿化」が進み、高齢者の定義を65歳以上とするのが現状に合わないという指摘があり、年金、医療、介護など社会保障制度の改革が給付と負担の見直しの議論として進められています。

本区では、これまでも、医療保険や介護保険などの既存の制度にとらわれない区独自の事業を数多く展開し、制度改正に伴う区民生活への影響を緩和してまいりました。社会保障制度の改革に伴い、新たな独自の施策が必要になることも考えられます。

また、一人ひとりの高齢者の生活支援やお亡くなりになられた場合の葬儀や財産の処分、ペットの問題に至るまで、かつては家族の問題とされていたことを、社会全体で解決していかなければならない時代になってきております。

「ひとり暮らし高齢者」「認知症高齢者」の増加は行政だけでは対応しきれず、区民の皆さんとともに解決策を見出していかなければならない問題が大幅に増加していくものと考えております。

行政が、孤立する高齢者の方をはじめ、ひきこもりの方の相談・支援など、どのように、どこまで具体的な支援をするかが今後の大きな課題となっております。

3つ目としては、人口増、超高齢社会等の社会状況の変化に対応するための公共施設等の維持・更新であります。

学校や区営住宅の改築、道路や公園の改修整備など、今後、機能更新の時期を迎える区有施設やインフラ施設は多数あり、多額の経費が必要となります。

4つ目は、災害対策における新たな課題への対応であります。

先日の「台風15号」は、計画運休による公共交通機関の麻痺や千葉県内を中心とした大規模停電など、新たな課題を認識させるものでありました。さらに、従来から本区の災害対策の大きな課題である昼間人口を対象とした災害対策についても中長期的な視点からの備えを確かなものにする必要があります。

5つ目は、中長期的に財政需要の増大が見込まれる一方で、国の不合理な税制改正による減収が懸念されることであります。

近年の大都市の財源を地方へ再配分するための税制改正により、本区は多額の減収という大きな影響を受けてきましたが、今後もこのような動きが続いていく可能性がありますので、それに備える必要があります。

今定例会でご報告いたします財政状況は、実質公債費比率、将来負担比率などの財政指標においては、すべて健全な値となっております。基金も平成30年度末時点で、約1千150億円であり、現時点では健全な財政基盤ではあります。しかしながら、これまで申し上げたような中長期的な課題に対応していくためには、必ずしも楽観視できる状況ではないと考えております。

本区が今後も、「共生社会」「豊かな地域社会」の実現に向け、子どもや高齢者、障害者の方々に「やさしいまち」であり続けるために、現時点における健全な財政指標値や基金残高に決して満足することなく、将来に亘って安定的、継続的な区政運営を行うことのできる強固な財政基盤の確立をめざし、さらなる努力を重ねてまいります。

4.議案

最後に、今回提案いたしました諸議案等についてでございます。

まず、決算案件といたしまして、平成30年度各会計歳入歳出決算の認定についてがございます。

次に、条例関係でありますが、新たに制定するもの1件、条例の一部を改正するもの9件の計10件であります。

次に、契約関係でありますが、区立お茶の水小学校・幼稚園解体工事請負契約について1件、代官町通り歩道拡幅工事請負契約の一部変更について1件の計2件であります。

このほか、千代田区立内幸町ホールの指定管理者の指定について1件。

また、報告関係として、平成30年度財政健全化判断比率について1件、代官町通り歩道拡幅工事請負契約の一部を専決処分により変更した件について1件、公の施設を利用する権利に関する処分についての審査請求について1件の計3件で、今回の付議案件は、合わせて17件であります。

何とぞ、慎重なご審議のうえ、原案どおりご議決賜りますようお願いを申し上げます。

以上をもちまして、令和元年第三回区議会定例会の開会の挨拶といたします。

令和元年9月25日 千代田区長 石川 雅己

(注意) 本文は口述筆記ではありませんので、表現その他が実際の発言とは若干異なることがあります。

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