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更新日:2020年9月9日

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令和2年第3回千代田区議会定例会 招集挨拶

令和2年第三回区議会定例会の開会にあたり、私の区政運営における所信を申し上げます。

はじめに

「新型コロナウイルス感染症」について

千代田区では、「新型コロナウイルス感染症対策」に向け、先般の区議会臨時会での附帯決議をはじめ、さまざまなご意見・ご指摘をいただき、ご議決いただきました「千代田区特別支援給付金並びに商工融資事業、商工関係団体等支援事業」を含め、感染症対策のなお一層の充実を図るため、日々さまざまな対応を進めているところでございます。

この「新型コロナウイルス感染症」関連の議案をご審議いただく過程で、私の区議会解散を取り消すに至るまでの間、審議が停止されるなど、多大なるご心痛をおかけいたしましたことを、この場をお借りして、改めて深くお詫び申し上げます。

「新型コロナウイルス」は、瞬く間に全世界に蔓延し、未曾有の被害を引き起こし、収束に向けて未だ先が見えない状況となっております。昨日現在の報道では、国内において累計感染者数が7万2千人を超え、東京都においても累計感染者数が2万2千人を超え、千代田区内の感染者数は既に130人を超え深刻な事態となっております。

コロナ禍の中で、感染防止対策と経済、生活支援が大きな課題となる中、経済支援として、先の区議会臨時会において、区民の皆さんが個人や家庭などのそれぞれの事情を考慮し、「新型コロナウイルス感染症対策」に有効に使っていただくという包括的な視点から「特別支援給付金」を提案いたしました。議会の熱心な審議を経てご議決を賜り、一日でも早く区民の皆さんのお手元に「特別支援給付金」が届けられるよう鋭意準備を進めているところでございます。

本区では、「新型コロナウイルス感染症対策」の最重要課題は、区民の命と健康を守ることと捉え、今年3月に専用の相談窓口をいち早く開設いたしました。現在、国において保健所の負担を軽減するため、保健所が関与せずに医師の判断に基づき、地域の医療機関で検査を行える仕組みが検討されております。本区においては、「新型コロナウイルス感染症」の疑いがあるにもかかわらずPCR検査を受けるまでに時間がかかる状況が課題となっていた本年4月下旬に、いち早く地域医師会と病院のご協力のもと、「九段下仮設診療所」を設置し、医師が必要と判断した区民の方が、確実にPCR検査が受けられる体制を整えました。本年9月7日までに510件を超える検査を行っております。

さらに、区民の命と健康を守る地域医療を担う医師会や歯科医師会並びに薬剤師会に対して、感染対策の充実と安定的な医療提供の継続のために区独自の支援を実施いたしました。

また、本区では、「特別養護老人ホーム」等の施設はもとより、ホームヘルプ事業所等を含め、高齢者にとって必要不可欠な介護サービスを提供する介護事業者に対して独自に経営支援を行っております。加えて、再び感染者数が増加してきた7月以降は、重症化リスクの高い高齢者の感染予防のため、国や東京都、他自治体に先駆け、無症状の新規入所者と施設職員を対象としたPCR検査を実施しております。施設職員の検査は概ね3か月サイクルで継続した検査を行うとともに、今後、ホームヘルパー等居宅事業所の職員にも対象を拡大する検討をしております。このような区の取り組みを受け、東京都においても同様の施策の補正予算が編成されております。

また、子どもに関する対応としては、国の緊急事態宣言の間、児童・生徒が計画的に学習を進められるよう、学習課題の配付のほか、各学校・園から、定期的に家庭に連絡をし、学校や園、担任とのつながりを実感できるよう、対策を講じてまいりました。学校や園の再開後は、いわゆる「三密状態」を完全に回避することは困難ではありますが、児童・生徒の健康状態の把握、衛生習慣の習得、衛生環境の確保など可能な限りの感染防止対策に努めております。また、今後の再拡大に備え、「GIGAスクール構想」の実現を加速させ、オンライン学習や相談環境の整備などさまざまな対策を講じてまいります。

一方、経済活動については、人の暮らしを支えるものであり、感染症防止との両立をさせていくことが求められています。本区では、今年3月から個店や中小企業の経済支援を行うため、500万円の緊急融資を実施し、その後、議会からの要請を受け、融資枠を1千万円に拡大するなど、迅速な対応に努めてきました。この結果、区の緊急融資を含めた制度の利用件数は500件を超えるなど、多くの事業者に利用されております。

また、財務基盤がぜい弱な小規模企業者に対し、別枠のメニューとして、有利な条件の融資制度を新設するとともに、新しい生活様式に沿った対応をとる区内商工関係団体の活動を支援する事業にも取り組んでまいります。

さらに、去る8月11日から「新型コロナウイルス感染症予防対策」に取り組む区内飲食店にステッカーを交付する区独自の「千代田区新しい日常店」という認証制度を開始いたしました。

区は、これまで、「新型コロナウイルス対策」について、刻々と変化する状況を見極めながら適時対応を進めてまいりました。しかし、この感染症との闘いに未だ終わりは見えません。この先の未来のために、まずは、区民の命と健康を守り、区民の生活や経済活動を支えるため、引き続き、さまざまな取り組みを進めてまいります。

1.「令和元年度の決算状況」について

次に、令和元年度決算状況について申し上げます。

令和に入り初となる本区の令和元年度決算も、人口の堅調な伸びにあわせて歳入が伸びており、一般会計及び特別会計の合計は715億円余に上り、前年度との比較では5億円余の増額となりました。

また、平成12年度決算から他の地方自治体に先駆けて作成し、その後、平成28年度決算から、総務省が示した「統一的な基準」により作成している財務諸表のうち、現金の出入りがわかる「資金収支計算書」から算出した令和元年度の財政の健全化を示す「プライマリーバランス」、いわゆる、行政サービスに関する経費を税収等で賄えているかどうかを示す指標では、53億円余となり、前年度から約50億円増額の黒字となりました。これらいずれの数値を見ても、令和元年度の本区の財政運営状況は健全であり、依然として安定的な財政基盤が構築されていると言えます。

一方、歳出決算については、施設整備等の遅れによる事業の影響により、前年度に比べて執行率が3ポイント低下するとともに、100億円超の不用額が生じることとなり、近年でも最も低い執行率となりました。また、これにより、普通会計ベースでの歳入歳出の差し引きから翌年度に繰り越すべき財源を除いた実質収支は19億円余となり、実質収支比率も前年度から1.9ポイント押し上げる結果となったものです。

令和元年度の事業執行については、「新型コロナウイルス感染症」の影響をほぼ受けていないにもかかわらず執行率が低下した要因は、工事の進捗による影響等が挙げられます。

そのため、早急に各事業の執行状況の精緻な分析を行うとともに、改めて目的や成果を再確認したうえで、コロナ禍における新しい日常をも見据えて事業内容を見直し、執行率の向上も含め来年度予算編成に取り組んでまいります。

また、歳入においては、近年の国による都市から地方への財源移転を目的とした不合理な税制改正による影響が下げ止まりの様相を見せているものの、令和2年度からは法人住民税の一部国税化の拡大によってさらなる減収が進むことも予想されます。こうした国の動向については、今後も特別区長会や東京都とも連携し、区議会の皆様とも足並みを揃えて、国への働きかけを継続させてまいります。

2.「新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた今後の財政運営」について

次に、「新型コロナウイルス感染症対策」を踏まえた今後の財政運営について申し上げます。

「新型コロナウイルス感染症」の感染拡大により、次第にその影響度が明らかになりつつあります。中でも経済に与えた影響は大きく、先日、内閣府が発表した今年4月から6月の日本のGDPの速報値では、前期比年率27.8%減と報じられました。これは平成21年のリーマンショック時の17.8%減を大きく上回る数値であり、「新型コロナウイルス感染症」の拡大同様、まさに未曾有の事態となっております。

地方公共団体の財政運営においても、経済活動の停滞は、法人住民税への影響はもちろんのこと、区民税にも影響を及ぼすことは必至であり、区の歳入の大幅な減少につながることが予想されます。

「特別支援給付金」の財源は、区民の皆さんの不断の努力をもって積み立ててきた財政調整基金から、80億円を超える額を充てることといたしました。この財政調整基金をはじめとした基金残高の総額は、令和元年度決算では1千186億円余となりました。

基金について、私は、現在のコロナ禍のような非常事態において、区民生活をしっかりと支えるためには、必要不可欠なものであると確信し、これまで積み上げてまいりました。

今後も第3波・第4波といった感染拡大が懸念される中で、「新型コロナウイルス感染症対策」に多額の予算を投じることは、私自身、非常に難しい判断であったことは言うまでもありません。

しかしながら、区民の皆さんの貴重な税金をもとに積み立ててきた区の基金により、今、この事態を乗り越えていくことが、税金の価値ある使い方だと認識し最終的に決断した次第であります。

「特別支援給付金」以外にも、「新型コロナウイルス感染症対策」については、すべての区職員が全力であたっていることはご承知のとおりですが、中でも保健所は不眠不休と言っても過言ではないほどの対応を続けております。

区では、第2回区議会定例会において区民の生命と健康を守ることを第一に、さまざまな「新型コロナウイルス感染症防止策」を図ってまいりました。あらゆる対策の中心となる保健所は、引き続き収束に向けて膨大な業務に取り組んでいかなければなりません。

また、これから冬を迎えるにあたり、懸念される「新型コロナウイルス感染症」の再拡大への対応に加え、「インフルエンザ」への対応も必要となってくると考えます。

区では、これまで高校生以下のお子さんや高齢者へのインフルエンザ予防接種を全額助成で実施してきましたが、助成対象者の拡大等の課題がございます。感染症の危機から区民を守りながら、保健衛生業務を着実に遂行し、課題解決を図っていくために、最前線で対応している職員の意見を十分に把握しながら、保健所の体制強化に向けた、適時適切な対応を図ってまいりたいと考えております。

「新型コロナウイルス感染症対策」については、第2回区議会臨時会において第3号補正予算の附帯決議をいただいているところです。この附帯決議の内容を真摯に受け止め、可及的速やかに対応していくとともに、これまでの対策にとどまることなく、引き続き必要な予算を投じ、区民の安全・安心を確保してまいる所存であります。

これまで述べてまいりましたとおり、本区の財政運営は健全ながらも、「新型コロナウイルス感染症」の影響を受けて、今後の歳入の見通しは予断を許さない状況を迎えております。

そのような状況の中で、「ウィズコロナ」、「アフターコロナ」という、これまでの社会生活の常識とは異なる、新しい生活様式に対応した対策を図らなければならないことから、そのための財政投入が必要になることが予想されます。本区の財政状況は、こうした社会の変革による影響を受け、不測の事態が生じることを考えますと決して楽観視できるものではありません。

今年度予算編成時にお示しした「今後10年間の財政見通し」によれば、令和2年度予算を起点とし、10年後の令和11年度末には、基金残高が518億円になると試算いたしました。

しかし、今年度は既に「新型コロナ感染症対策」の補正予算を編成するため、財政調整基金から100億円以上の繰り入れを行っております。

こうした緊急対応により、財政見通しによる10年後の基金残高は目減りすることとなりますが、一方で、住民税のフラット化やリーマンショック時も含めた決算ベースで見ても過去10年の間、実質収支額が本年度同様の毎年20億円で推移していることから、仮に今後10年間を試算すると、一定額を基金に積み立てることができるものと認識しております。

これは、事務執行の効率化などの内部努力によって生まれたものであり、強固な財政基盤を持ちながらも、甘んずることなく堅実に区政運営を継続してきた証であると認識しております。

さて、今日の安定的な財政状況に至るまでの間、さまざまな改善を図ってまいりました。20年前にさかのぼると、平成12年度決算では、経常収支比率は88.5%となり、当時、23区中、上から9番目という高い数値となっており、経常的な歳入の多くが、経常的な経費に消費されており、財政の硬直化が進んでいる状態でした。

また、歳出に占める人件費の割合は、34.7%となり、区民税などの一般財源のおよそ3分の1以上が人件費に支出されており、新規事業に経費を充てることが難しい状況になっておりました。

そのため、平成13年度には、全国に例のない「千代田区行財政改革に関する基本条例」を制定し、経常収支比率85%程度、人件費比率25%程度という具体的な数値目標を設定し、以降、目標達成のために努力を重ねてまいりました。
これにより、令和元年度決算では、経常収支比率は72.7%、人件費比率に至っては19.3%と、数値目標の範囲内を維持しており、柔軟性ある財政が実現できております。

このような状況を踏まえ、予算ベースによる試算の基金残高を維持・向上できるよう、また、今後も引き続き、安定した質の高い行政サービスが提供できるよう、歳入確保に向けた取り組みのほか、施策の見直しや再構築などを進め、さらなる強固な財政基盤の確立に努めてまいります。

3.その他

次に、熱中症対策と台風災害に備えについて申し上げます。

熱中症対策について

関東地方の今年の梅雨明けは8月1日で、平年より11日遅いと発表されました。梅雨明け後は、猛暑日(気温35度以上の日)が続き、同月17日には静岡県浜松市で国内観測史上最高気温に並ぶ41.1度を観測されました。更には、東京都心の8月の猛暑日は計11日となり、1875年(明治8年)の統計開始以来最多となったとのことです。

気温の高温化は、地球温暖化や都市化などの要因が考えられますが、気温30度以上の日の「真夏日」や同35度以上の日の「猛暑日」が続きますと、「熱中症」による救急搬送も日を増すごとに増えている状況でございます。

総務省消防庁によりますと、8月10日から16日までの1週間に「熱中症」で救急搬送された方は、全国で今年最多の1万2千804人となり、この間、都内だけでも1千574人で1日あたり224人以上にもなり、昨年同時期と比べますと、全国で1.7倍、都内で2.3倍となっております。

未だ残暑厳しい時季が続きます。コロナ禍の中でマスクの着用や3つの密を避けるなどの行動を続けながら、区内35か所に設置した「ひと涼みスポット」の活用や、こまめな水分補給を行うなどにより、「熱中症」にならないよう努めていただきたいと存じます。

なお、今年も「熱中症」のリスクが高い介護保険サービスを利用していない85歳以上の高齢者のみで暮らしている世帯を対象に個別訪問し、保健師や看護師、出張所の職員等が「熱中症」の予防法や対処法をアドバイスしております。さらに、状況に応じて、電話や訪問により見守りを継続しております。

これら対策が功を奏し、7月1日から8月末日までの千代田区内3消防署において救急搬送された区民の方は、わずか7名と極めて少ない人数に留めることができたと考えております。気象庁によりますと、9月も平年より気温の高い日が多くなる見込みですので、引き続き、「熱中症予防対策」に努めてまいります。

台風災害に備えて

本格的な「台風シーズン」を迎えようとする矢先、8月下旬には「台風9号」が、9月には「台風10号」が連続して発生いたしました。特に、「台風10号」については、超大型の台風に発達し、沖縄・九州地方に大きな被害を与えました。これらの災害で亡くなられた方々に深く哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。

本区では、さまざまな災害に対し、日頃から警戒体制を敷いているところでございます。台風や大雨による河川氾濫等の災害対策の面では、昨年の「東日本台風」を受け、区民のための自主避難所につきまして、区内6出張所において運用することとし、地域の防災活動拠点に資するものといたしました。概ね台風接近の2日前には区の対応が決定しますので、安全・安心メールやホームページなどにより区民の皆さんに情報提供をさせていただきます。

さらに、こうした状況が予測される際には事前に初動の職員体制を確保して、万が一に備えてまいります。

また、コロナ禍の今、災害が発生した場合の防災対策や避難行動についても、感染のリスクを考慮して見直す必要もあります。「避難」とは「難」を「避」けることであり、危険な場所にいる場合は直ちに逃げることが第一ですが、安全が確保できる場合には自宅に留まる「在宅避難」や親戚・知人宅も避難先として検討していただくこと、また、日頃からマスクや消毒液などを備蓄していただくことなども、併せてお願いしております。

このように行政だけで防災・減災を実現することには限界もあり、平常時から「自助」による対策とともに、千代田区で暮らし、活動するすべての方々が相互に助け合い、支え合う「協助」の仕組みが不可欠であります。それらの仕組みと併せて区の役割である「公助」としての情報収集・発信、関係機関との連携を強化してまいります。

4.議案

最後に、今回提案いたしました諸議案等についてでございます。

まず、決算案件といたしまして、令和元年度各会計歳入歳出決算の認定についてがございます。

次に、条例関係でありますが、条例の一部を改正するもの、5件であります。

次に、契約案件でありますが、特別区道千第578号(多町大通り南)及び周辺道路の電線類地中化事業の委託に関する施行協定の締結について、1件であります。

このほか、財産(建物)の取得について、1件、千代田万世会館の指定管理者の指定について、1件、また、報告関係として、令和元年度財政健全化判断比率について、1件で、今回の付議案件は、合わせて10件であります。

何とぞ、慎重なご審議のうえ、原案どおりご議決賜りますようお願いを申し上げます。

以上をもちまして、令和2年第三回区議会定例会の開会の挨拶といたします。

令和2年9月9日 千代田区長 石川 雅己

(注意) 本文は、口述筆記ではありませんので、表現その他若干の変更があることがあります。

お問い合わせ

政策経営部総務課総務係

〒102-8688 東京都千代田区九段南1-2-1

電話番号:03-5211-4134

ファクス:03-3239-8605

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