更新日：2012年6月29日

公益通報制度による行政監察員からの報告及び区の調査結果等について（児童館事業における不適切な会計処理等）

千代田区では、公正で透明な区政運営を図るため、職員等公益通報条例（平成15年8月施行）による公益通報（内部通報）制度を運用しています。
平成23年3月8日付及び4月26日付で、通報の窓口となる行政監察員から特定職員に関する通報を受理したとの報告があり、行政監察員から区にそれぞれの調査結果の報告を受けました。
報告では、「違法・不当な事実の存在した蓋然性が高い」とあり、これを受けて区で調査を進め、その調査結果及びそれに基づく規定により、関係職員を処分しました。今後の再発防止策も含めてお知らせします。

1　行政監察員の調査結果の概要

• （1）通報対象となった職員は、平成21年度の児童館の事業において、参加者から参加費（材料費）の他に金銭を徴収していた可能性が高い。（また、同児童館においては、金銭を保管していた缶が所在不明となっている。）
  
• （2）当該職員は、事業者から受け取った領収書に自ら日付・宛名・金額・内訳等を補充し、精算に使用していた。
  
• （3）当該職員は、平成22年度の児童館の事業において、事業の参加者名簿を客観的な裏づけなしに改変していた可能性が高い。
  

2　区の内部調査結果の概要

• （1）当該職員は、裁縫の材料費としての参加費以外に、当該職員が手伝ったとされる参加者から金銭を徴収していた。当該金銭は他の材料費とあわせて事業の材料購入費として使用したと説明している。当該職員は、そのほかにも参加者のためにバッグ用の布等の材料を事前に購入し、当日、これらの材料を使用した参加者からその実費の支払いを受けていた。参加費以外の金銭を徴収していたことは事実であったが、着服の事実は認められなかった。
  なお、その児童館においては、平成21年度末頃、缶に入れて保管していた金銭を紛失していた。
  
• （2）当該職員は、事業者から受け取った領収書に自ら日付・宛名・金額・内訳等を補充し、精算書に添付し使用していた。しかし、裏金や着服の事実は認められなかった。
  
• （3）当該職員が、事業の参加者名簿を事実と異なる内容に変更したことは事実であった。当該職員は、自ら公益通報を受けた際、講師から交付された領収書の金額にあわせて、参加者数を整えるために行ったと説明している。講師の領収額と参加者実績は整合しない点があり、一部金銭が所在不明の状態となっている。着服等の事実は認められなかった。
  

また、これらの調査を進める中で、平成21年度に、通報対象の職員以外の職員2名が、資金前渡金の使い方としては本来使途として認められない通信販売により教材を購入し、虚偽の領収書を使って精算した事実が明らかになりました。

3　関係職員の処分

これらの内部調査の結果を踏まえ、職員懲戒分限審査委員会の答申を受け、平成24年6月27日付で関係職員を以下のとおり懲戒処分としました。

対象者	処分
児童家庭支援センター主事	停職10日間
児童家庭支援センター主事（係長級）	減給10分の12月
一番町児童館主事	戒告

なお、これらの処分に併せて、当時の児童家庭支援センター所長（課長級）及び係長級職員の計2名に対して、管理監督責任を問い、訓告及び口頭注意を行いました。

4　再発防止策について

（1）講座等の事業における参加費等の公会計化

各事業部で実施する講座・講習会等の事業の経費や収入は、予算計上し、公会計で厳格に管理を行います。

（2）「資金前渡に関する事務取扱要領」の策定

資金前渡制度は、現金で支払をしなければ事務・事業の取扱いに支障をきたす、または事務取扱に不便な経費について、例外的に現金支払を行える制度です。
この制度を適正かつ円滑に運営するため、資金前渡事務にかかる基本的事項を定めた「資金前渡に関する事務取扱要領」を策定しました。全職員に周知し、その適正な運用について注意を促し、特に各職場の資金前渡の責任者（資金前渡受者）に対し、その使途及び購入物品の確認、精算書類の審査等を厳格に行うよう周知しました。