更新日:2024年12月25日
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区では、公正で透明な区政運営を図るため、職員等公益通報条例による公益通報制度を運用しています。
本制度により、令和6年9月5日付けで、通報の窓口である行政監察員から千代田区選挙管理委員会の事務に関する通報を受理したとの報告があり、その後、区長に対し調査結果の報告がありました。
区長は、選挙管理委員会に対し調査結果報告の内容を通知するとともに、同委員会では報告を踏まえ、下記のとおり再発防止のための措置を講じました。
違法であったと判断することはできない。
(理 由)
廃掃法上の「廃棄物」に該当するかについては、環境省通知によれば、「廃棄物とは、占有者が自ら利用し、又は他人に有償で譲渡することができないために不要となったものをいい、これらに該当するか否かは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び占有者の意思等を総合的に勘案して判断すべきもの」とされる。また、最高裁も改正前の廃掃法第2条第4号の「不要物」について上記通知と同様の判断基準を判示している。
本件において、職員が一旦庁舎において「ごみ」とそうでないものとを選別していることからすれば、事業者Aが運搬する時点における占有者(区)の意思は、「ごみ」として廃棄するという確定的な意思ではないといえる。また、本件において、事業者Aが実際に運搬した物品の詳細は特定できず、これにかかる物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無については本調査においても認定することができない。
したがって、事業者Aが運搬した物品は、廃掃法上の「廃棄物」であったと認定することはできない。
区と事業者との間で締結した契約は、区条例の規定に違反するものといえる。
(理 由)
廃掃法第7条第12項は、一般廃棄物収集運搬業者及び一般廃棄物処分業者は一般廃棄物の収集及び運搬並びに処分につき、「当該市町村が地方自治法第228条第1項の規定により条例で定める収集及び運搬並びに処分に関する手数料の額に相当する額を超える料金を受けてはならない。」と規定している。
区では、廃掃法第7条第12項を受けて、区廃棄物条例第48条第2項の事業系一般廃棄物の収集及び運搬をする場合の廃棄物処理手数料として、同別表1の「臨時に排出する占有者又は事業者」の区分において1キログラムあたり46円を原則的な金額として定めている。なお、区廃棄物条例で定められている上記手数料には、通常の収集及び運搬並びに処分以外に、作業場所の敷地内での清掃、選別作業等の特別な業務を行う場合の対価は含まれない。そのため、「一般廃棄物処理業の手引」(東京二十三区清掃協議会作成)においては、事業者が特別な業務に対する料金を徴収する場合、区は、事業者との契約書において、特別な業務に対する料金を明記しなければならないとされている。
本件において、区と事業者Bとの間で締結された委託契約書においては、一般廃棄物の収集・運搬に係る1キログラムあたりの廃棄物処理手数料の記載はない。他方、事業者Bから区に交付された請求書等をみると、区が事業者Bに支払う一般廃棄物処理手数料を全体量300キログラムで計算した場合の1キログラムあたりの手数料は330円となる。
このように、請求書等の記載からすれば、区が事業者Bに支払った1キログラムあたりの手数料は46円を超過するため、事業者Bとの間で締結した一般廃棄物の収集及び運搬契約は、区廃棄物条例第48条第2項に違反するものといえる。
この点、事業者Bは、廃棄物処理手数料については1キログラムあたり40円として積算し、残額については、搬出作業費、分別作業費、人件費、清掃工場への搬入手続等一式にかかる特別業務に対する料金として積算されたものと説明している。そのため、このような内訳を実質的にみれば、区が支払った廃棄物処理手数料は区廃棄物条例の定める46円を下回ることから、区廃棄物条例に反するものではない。
しかし、契約書や見積書等において単価の積算根拠ないし内訳が明示されていない以上、区廃棄物条例違反か否かを一見して認識することはできない。また、そもそも、上記手引においては、事業者が特別な業務を行う場合、契約書において、上記手数料とは別に特別な業務に対する料金を明記しなければならないとされている。
したがって、上記事業者Bの説明を踏まえても、上記の「区廃棄物条例第48条第2項に違反するものといえる」とした判断に変わりはない。
通報2の結果に対して、選挙管理委員会が行った、再発防止措置は以下のとおりです。
選挙執行に関する事務マニュアルにおける本件事務処理の部分において、関連法規を明記するとともに、今回の指摘を踏まえた内容に改訂します。また、本件事務処理以外の部分についても改めて事務マニュアルを点検します。
適切に事務処理が遂行されるよう、事務処理をチェックする職員においても今回の指摘を踏まえて、今後の事務管理を行います。
令和6年10月27日執行の衆議院議員選挙においては、行政監察員の調査のなかで、既に本件について指摘を受けていたため、同様の契約を締結するにあたり、廃棄物処理手数料とそれ以外の特別な業務の料金が明確に判別できるよう、特別の業務の内容及びその金額を契約書に明記しています。
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