更新日：2020年6月11日

番町・麹町地域のまちづくり

• まちづくりの系譜
• 人口の推移等
• 土地利用・建物利用
• 在住者の声

まちづくりの系譜

～江戸

甲州街道の東端にあたり、江戸城西側における防衛の要所であった番町・紀尾井町界隈には、御三家一門や譜代大名、将軍の警護を担う「大番組」が配置されました。

一方、甲州街道沿いの麹町界隈は、江戸城築城に必要な物資を受け入れる町人地から発展し、幕末には、呉服店や切絵図版元をはじめとする商家が建ち並び、周辺の大名・旗本屋敷の消費生活を支える山の手最大の町地として賑わっていました。

明治～戦前

明治維新後、番町界隈の旗本屋敷跡地は桑畑、隼町・紀尾井町界隈は軍用地や皇族華族地となり、一時は麹町通りの賑わいも陰りを見せてきました。
しかし、次第に、番町界隈は明治政府の官僚や政治家の屋敷街へと変化し、麹町界隈は昭和中頃まで商業地としての命脈を繫いできました。また、イギリス大使館など外国公館の立地や、泉鏡花、中江兆民、島崎藤村など多くの文化人の居住などにより、文化性の高い地域として確立してきました。

戦後

第二次世界大戦では、ほぼ全域が被害を受けました。
その後、番町界隈は広い敷地を利用したマンションやオフィス街へ、麹町界隈は多くの商家が廃業してオフィス街へ、隼町・紀尾井町界隈は学校や国立劇場、ホテルなどの大規模施設へと転換していきました。

現代

外濠・外濠公園の水と緑やその眺望をはじめ、歴史や趣、落ち着きのある空間・資源などが各所に息づくとともに、数多くの教育施設・大使館などが立地しています。
建築物の高さ制限等の基本的なルール定めた一般型地区計画を基本として、落ち着きのある居住地と、内濠～外濠をつなぐ麹町大通りの景観軸に沿った街並みを誘導しており、都心居住の豊かな環境や文化的な環境を保っています。

人口の推移等

平成10年からの20年間で人口は約1.5倍に増加しました（住民基本台帳 平成10年1月1日 12,293人、平成30年1月1日 18,988人）。千代田区の人口の約3分の1がこの地域に居住しており、千代田区全域と比較して人口密度が高く昼夜間人口比率が低いことなどが特徴としてあげられます。

年齢人口比率については、千代田区全域と比較して、子ども・熟年層が多い一方、若年層・ファミリー層が少なくなっています。

土地利用・建物利用

土地利用

用途別土地利用面積の割合では、千代田区全域と比較すると、住宅用地や商業用地の割合が大きい一方、公共用地の割合は少なくなっています。

土地利用の特徴としては、千代田区全域と比較して、平均敷地面積が高い一方、緑被面積率や道路面積率は低くなっています。

建物利用

建築物の延べ床面積では、住宅の延べ床面積が占める割合が、千代田区全域の倍以上になっています。建物利用の特徴としては、千代田区全域と比較して、住宅・商業といった用途が複合した「mixed-use（ミクストユース）」な利用が見られます。

在住者の声（千代田区のまちづくりアンケート調査（平成30年6～7月））から

居住地域ごとの住んでよかったと感じる千代田区の魅力（複数回答）

回答内容	回答率
交通の便がよい	82.3%
治安がよい	48.4%
落ち着いている	35.4%
子育て・教育環境がよい	27.6%
学校・職場が近い	22.4%
緑が多い	19.3%
医療・福祉施設が充実している	14.1%
文化・芸術が感じられる	12.0%
移動しやすい	11.5%
災害への不安がない	9.4%
商業施設が充実している	1.6%
お祭りやイベントが多い	1.6%
地域の交流がある	1.0%
その他	1.6%
とくに魅力を感じない	0.0%

 

居住地域ごとの今後も住み続けたいと感じるための条件（複数回答）

回答内容	回答率
公共交通の利便性の向上	39.6%
自然環境の充実	39.1%
医療・福祉施設の充実	38.5%
災害対策の充実	37.5%
公共施設（学校を除く）のアクセスのよさ	28.6%
子育て・教育環境の向上	28.6%
商業施設の充実	26.6%
地域交流の充実	9.4%
誰でも容易に移動できる空間	8.3%
その他	10.9%

参考資料

• 住民基本台帳
• 国勢調査（平成27年）
• 土地利用現況調査（平成28年）
• 千代田区のまちづくりアンケート調査（平成30年6～7月）