更新日:2024年2月27日
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安全・安心な国民生活と生態系保全等の推進のため、特定外来生物の被害防止等の対策を強化する必要があります。
危険な特定外来生物(「クビアカツヤカミキリ」・「ツヤハダゴマダラカミキリ」 ・「ヒアリ」・「セアカゴケグモ」)や、身近であるが規制対象となった特定外来生物(「アカミミガメ」・「アメリカザリガニ」)、そして自宅等身近な場所に住み着くおそれのある特定外来生物のアライグマや、特定外来生物ではないものの注意すべきハクビシンについて紹介します。
平成24年に愛知県で被害が確認されて以来、平成27年にはあきる野市、福生市でも初めて被害が確認されたほか、埼玉県南部でも被害が確認され、令和4年新たに兵庫県でも確認されました。現在13都府県、東京都では7市4区(令和5年2月現在)で確認できました。
樹種別に見るとサクラの被害が最も多く、次いでウメとなっています。被害本数は平成27年に31本、令和5年2月現在、把握されているだけで496本の被害が確認されており、国内での被害が拡大しています。
十分な対策を取らなければ20∼30年後に都内で花見ができなくなるおそれがあります。
クビアカツヤカミキリの写真
提供:埼玉県環境科学国際センター(外部サイトへリンク)
人体への直接的な危険はありませんが、繁殖力が強く、幼虫がサクラ、ウメ、モモ、スモモなどの樹木に寄生し、幹や枝の内部を食い荒らし、時には枯死させてしまう害虫です。原産地は中国、朝鮮半島、ベトナム北部などで、貨物などの物資に紛れて日本に侵入したと考えられています。
早期発見、早期駆除が必要です。もしこの害虫を発見された場合には、千代田区環境政策課、または東京都環境局、環境省関東地方環境事務所野生生物課(電話番号:048-600-0817)へご連絡ください。
また、クビアカツヤカミキリの卵は紫外光を照射することで簡単に見つけることができます。成虫が発生する6~8月にブラックライトをあてて卵を検出し、早期対策が可能です。
ツヤハダゴマダラカミキリは、令和5年9月1日に特定外来生物に指定されました。国際自然保護連合が発表した世界の侵略的外来種ワースト100に選ばれているなど、定着した場合の被害の大きさは世界的に知られています。令和4年2月までに宮城県・福島県・茨城県・埼玉県・富山県・愛知県・兵庫県・山口県の8県21市町で発見されています。ツヤハダゴマダラカミキリは海外で幅広い樹種の樹木に甚大な被害を生じさせており、国内に定着させないことが重要です。リーフレット「みつけよう。ツヤハダゴマダラカミキリ」(PDF:1,681KB)
ツヤハダゴマダラカミキリの定着により、農林業被害リスク、生態系攪乱リスク、落枝等による人体や社会インフラへの被害発生リスクがあります。
初期の幼虫は樹皮のすぐ下にトンネルを作り、成長するにしたがって樹木の心材の奥深くまでトンネルを掘ります。こうした穿孔が、一度に多くの幼虫によって、あるいは何年にもわたり繰り返されると、樹木の維管束組織が破壊されてしまう上に樹木が構造的にも弱くなってしまい枯死してしまいます。枯死に至らなくとも木材としての品質が低下することは避けられません。
アメリカでは、たとえ農薬処理がされた木であっても、1つでも産卵痕や脱出痕があれば伐倒駆除の対象となり、所有者への通知後に撤去されます。
ツヤハダゴマダラカミキリ根絶のためには膨大な本数の伐倒が必要です
【根絶に成功した例】
なお、伐倒後の木は被害エリア内で燃やすかチップ化することが望ましいとされています。
日本では、ツヤハダゴマダラカミキリを適用害虫として種名表記した製品は現状存在しません。北米や欧州のように、被害範囲を設定して伐採・チップ化する方法をとることとなります。
成虫が羽化脱出し始める4月までに伐倒することが望ましいです。
ツヤハダゴマダラカミキリの成虫は10km以上飛翔することが可能であり、また、木材の移動や車両へ付着(ヒッチハイキング)しての移動で長距離拡散するおそれがあります。
そこで、早期発見・早期防除が重要となります。
ツヤハダゴマダラカミキリは木の上方から産卵するため、こずえの先から枝枯れしていく傾向にあります。ドーナツ型に枯れる木を見つけたら要確認です。
活動中の幼虫は侵入した樹木の排出孔からおがくず状のフラスや木くずを排出するため、フラスと排出孔がないか探しましょう。
ツヤハダゴマダラカミキリやその被害にあっていると思しき樹木を見かけたら、林野庁森林整備部研究指導課、環境省地方環境事務所、または環境政策課企画調査係(電話番号:03-5211-4255、メールアドレス:kankyouseisaku@city.chiyoda.lg.jp)へ情報をお寄せください。
平成29年5月26日に国内で初めて兵庫県で、7月3日には東京都品川区大井ふ頭で発見されるなど、これまでに16都道府県で計50事例の確認が報告されています。
輸入された物品等に付着してヒアリが国内に侵入する事例が近年増加しています。令和元年9月、10月には江東区青梅ふ頭で女王アリを含む多数のヒアリを確認されてす。「定着しそうなギリギリの段階」であり、対策の強化が急務です。
なお、ヒアリはこれまでに都内の住宅地等では発見されていません。また、大井ふ頭内など、都内で発見されたヒアリはすでに駆除されています。
ヒアリは、体色は主に赤茶色の有毒のアリで、令和5年4月1日からは「要緊急対処特定外来生物」として政令で指定されました。
ヒアリの写真
肉眼では分かりづらいですが、殺虫後、捕獲すればスクリーニング(ヒアリ疑いの判別)は可能です。
詳細は「ヒアリの簡易的な見分け方(PDF:140KB)」をご覧ください。
以上の特徴を有するため、定着を許すと、周辺への拡散リスクが一気に上昇してしまいます。
ヒアリは強い毒を持つため、生きた個体を素手で触らないようにしてください。
ヒアリを発見しましたら、千代田区環境政策課または東京都環境局、環境省関東地方環境事務所野生生物課(電話番号:048-600-0817)へ連絡してください。
平成26年9月、東京都で初めて確認されました。
青森、秋田を除く45都道府県で確認されており、令和元年秋以降、台東区の公園や、墨田区の中学校敷地内など、千代田区の近隣でも発見された事例が報告されており、注意が必要です。
セアカゴケグモの写真
日本に輸入される資材などに付着して国内に侵入したと考えられています。
攻撃性はありませんが、メスは毒を持っており、誤って触った場合、咬まれることがあります。咬まれた場合、痛みや腫れを引き起こし、場合によっては重症化することもあります(アナフィラキシー・ショックの可能性)。
暖かいところ、乾燥しているところ、身を隠せる隙間、直射日光の当たらないところに潜んでいるおそれがあります。具体的には、室外機周辺、ガレージの中、公園の花壇、ベンチの裏、自動販売機の下、ブロックやフェンスのすき間、排水溝のふたの裏や側面、外に置いてあるサンダルの中等が挙げられます。
根絶は困難とされており、確実な駆除が必要です。
セアカゴケグモは毒性の強いクモであるため、絶対に素手で触らないようにしてください。刺激を与えなければ咬まれることはありません。周囲にも潜んでいるおそれがあるため、注意が必要です。
生体を駆除するには、市販されている殺虫剤の噴霧のほか、熱湯をかける、足で踏みつぶすなどの物理的な方法でもかまいません。作業は素肌を露出しない格好で行いましょう。殺虫剤を散布するときには巣の奥にいるクモが逃げてしまったり、クモが風圧で吹き飛んでしまう場合があるので注意してください。
また、卵のうはビニール袋に入れ、しっかりと踏み潰します。ビニール袋に入れないで潰すと、靴の裏のすべり止めの溝に潰しきれなかった卵が挟まったまま残ってしまい、そこから孵化して拡散するおそれがあります。
セアカゴケグモを発見しましたら、東京都環境局自然環境部計画課(電話番号:03-5388-3506)、環境省関東地方環境事務所野生生物課(電話番号:048-600-0817)へご連絡ください。
速やかに病院へ行ってください。(注意) 可能であれば咬まれたクモを持参
咬まれた部分を水で洗い流し、患部は冷やしてください。幼児や高齢者は肝臓等の代謝機能が弱く、重症化しやすい傾向にあります。医師が重症と判断した場合、抗毒素(ワクチン)を保有する病院について医師が案内をします。
鳥類 | カナダガン |
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爬虫類 | カミツキガメ、タイワンハブ |
クモ・サソリ類 | キョクトウサソリの全種、Atrax属の全種、Hadronyche属の全種、イトグモ科3種、 ハイイロゴケグモ、セアカゴケグモ、クロゴケグモ、ジュウサンボシゴケグモ |
昆虫類 | ヒアリ、アカカミアリ、コカミアリ、ツマアカスズメバチ |
太字:都内本土部で発見されたことがあるもの
カミツキガメの写真
陸に上がると攻撃的になります。(注意) 普段は水中にいるが、産卵のために上陸(ピークは6月)
時には首を伸ばして素早くかみついてくるため、捕獲の際には、必ず後ろから近づくようにしてください。
アカミミガメ、アメリカザリガニは、条件付特定外来生物(通称)に該当します。
アカミミガメの写真
アメリカザリガニの写真
アメリカザリガニ、アカミミガメの規制概要(令和5年6月1日からの規制)
輸入、放出、販売または頒布を目的とした飼養等、販売や購入または頒布を目的とした譲渡し等に限り規制されます。
捕獲や販売・頒布を目的としない飼育は可能です。
特定外来生物であるアライグマは、生態系に影響を及ぼし、生活環境や農林水産業、そして人の健康に被害をもたらします。都内でも被害が広がっているため、対策が必要です。
「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」(外来生物法)に基づく特定外来生物
アライグマ・ハクビシンは、多様な環境で生息が可能であり、高い繁殖力を持つなどの特徴から、個体数を増加させ、分布域の拡大にも繋がったのではないかと考えられています。その結果、さまざまなところで問題が起きています。
特にアライグマによる在来生物への影響が懸念されています。
【全国での被害例】
アライグマ・ハクビシンともに、家屋侵入による建物の破損、糞尿による汚損等(特に天井裏)の被害が大きな問題となっています。
また、ネコやコイ、金魚やニワトリなどの飼育動物がアライグマによって捕食されたという事例もあります。
アライグマ・ハクビシンともに、果樹や野菜、イモ類、飼料作物、マメ類を中心としたさまざまな農作物に深刻な被害を引き起こしています。
また、アライグマによるニワトリやアヒルなどの家禽類、コイやニジマスなどの養魚類への食害も多数報告されています。
アライグマやハクビシンは、複数の人獣共通感染症を媒介する可能性があると言われています。
また、両種からはペットに重篤な感染症を引き起こす病原体が検出されています。
都内では、疥癬(病原体:ヒゼンダニ)にり患したタヌキが多く目撃されています。これらのタヌキからアライグマやハクビシンもり患している場合があります。発見した場合は絶対に触れないように注意してください
1~3の条件を満たした個体は回収できます。
お問い合わせ先:
東京都環境局 自然環境部計画課 鳥獣保護管理担当
電話番号:03-5388-3505
人里は最高の栄養源です。
これらは無意識の餌付けに繋がっています。
人里は最高の住環境です。
これらは寝屋にされやすいです。
壁の隙間が出産場所になったりします。
10cm程度の穴からも侵入してしまうため、隙間は塞ぎましょう。
アライグマ・ハクビシンを見かけたら、環境政策課企画調査係(電話番号:03-5211-4255)へ情報をお寄せください。
東京都における野生鳥獣に関する相談は、東京都環境局自然環境部計画課鳥獣保護管理担当(電話番号:03-5388-3505)までお願いします。
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お問い合わせ
環境まちづくり部環境政策課企画調査係
〒102-8688 東京都千代田区九段南1-2-1
電話番号:03-5211-4255
ファクス:03-3264-8956
メールアドレス:kankyouseisaku@city.chiyoda.lg.jp
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