更新日:2019年11月25日
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国際感覚の涵養や視野の拡大等、グローバルな人材を育成するとともに、海外都市における行政施策について多角的に調査・研究し、区政施策の立案・実施に役立てていくことを目的とし、職員を海外都市へ派遣する。
今年度は「多文化共生」と「観光の活性化」をテーマに、福祉・文化・環境・コミュニティ等様々な観点から区民と一緒に学ぶ。
シンガポール
令和元年6月~令和2年1月(同行区民は8月から)
令和元年11月5日~12日(7泊8日)
職員5名(ほかに同行区民3名)で研修団を結団
夕方、無事シンガポールに到着しました。
突然のスコールに見舞われることも多いというシンガポールですが、初日は天気に恵まれ、傘を差すことはありませんでした。
午前最初の視察は、本研修におけるアポイントメントの取り付けにご協力いただいたクレアシンガポールでした。クレアシンガポールの主な活動のほか、シンガポールの概略も説明いただき、これから研修に臨むにあたっての事前知識を得ることができました。
次に、ムスリムの多いコミュニティクラブ(Geylang Wisma)を視察しました。日本でいう公民館の要素に加え、飲食店や幼稚園、パブリックビューイングのできるオープンスペースなど、地域コミュニティのための設備の充実を実感しました(写真:コミュニティクラブにて)。
午後は、日本文化をシンガポールの方々に知ってもらうための活動をしている、ジャパン・クリエイティブセンターを訪問しました。シンガポールでは元々日本の文化に関心のある方々が多いとのことですが、アニメ・マンガだけでなく文楽の紹介や、都市部ではない地方の自治体の広報支援など、より広く深く知ってもらうために様々な活動を行っていました。
この日のシンガポールは朝から気温も高く、日差しが強い天気でした。
午前中はアラブストリートへ立ち寄り、民族ならではの文化を肌で感じることができました。
続いて、都市再開発庁の中にあるシンガポール・シティ・ギャラリーを訪問し、シンガポールの都市開発の流れを、映像や展示物から学びました。限られた資源や国土をどのようにして活用して都市計画を行ってきたのか、様々な視点から考えることができました。また、歴史を知ることがどれほど重要なことなのか、何故重要なのかを考えさせられる機会にもなりました。
午後はシンガポール・スポーツハブを視察しました。スポーツハブは、国立競技場だけでなく、様々な商業施設や、シンガポールのスポーツに関する歴史について、多くの資料が展示されており、年間来客数も非常に多い施設です。スポーツと人との関わり方や、国の文化が私たちに与える影響の大きさについて改めて学ぶことができました(写真:スポーツハブにて)。
この日は朝から熱帯地方らしい強いスコールに見舞われましたが、午後は良い天候の中視察に挑むことができました。
午前中は、シンガポール環境省(NEA)を訪れデング熱対策について、ご説明をいただきました。シンガポールでは多い週で約300人のデング熱患者が発生しているため、様々な先進的な施策が行われていました。2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け千代田区のデング熱対策について、改めて考えるきっかけとなりました(写真:環境省にて)。
午後は、日本政府観光局シンガポール事務所(JNTO)を訪問しました。JNTOは海外に事務所を構え、日本への外国人旅行者の誘致活動を行う機関です。JNTOがシンガポール国内で実施するSNS、専用のウェブサイト、大規模なイベントなどを通じた誘致活動などについてお聞きしました。皇居、東京駅、秋葉原、千鳥ヶ淵など様々な観光スポットを持つ千代田区での観光客の誘致方法や、観光客が過ごしやすい環境づくりのヒントを得ることができました。
視察4日目は、初めにシンガポール国立大学を訪問しました。留学生用・ファミリー向けの寮など、幅広く優秀な学生を受け入れるための施設が揃っていました。子どもが遊ぶ姿もあり、開かれた大学という印象を受けました。
次に、アジア文明博物館を訪れました。アジア各地の文明の紹介とともに美術品が展示されており、現在シンガポールに居住する民族の礎を学ぶことができました。
午後には、有名な観光地であるガーデンズバイザベイを見学しました。童話をモチーフにしたコーナーや、温暖化に関するダイナミックな映像を見ることができるコーナーなど、植物だけではなく、多角的な展示が行われていました。
その後マリーナベイサンズの展望台からシンガポールを見渡しました。国土の小ささを実感すると共に、先日シティ・ギャラリーで学んだ街の開発の様子が見て取れました(写真:マリーナベイサンズからみたシンガポール)。
今日訪れた施設では、案内表示なども含めて文字に頼らずビジュアルが効果的に使われており、言葉が余り分からなくても快適に、楽しく過ごせる工夫がされていました。
視察5日目は、厳しい暑さの中での視察となりました。
午前中は島全体が観光施設となっているセントーサ島を訪れました。この島のシンボルでもある大きなマーライオンを壊し、緑地公園にする計画が進んでいると現地ガイドの方から説明を受けました。既存のものにこだわらず、常に変化し続けることが、シンガポールの魅力創出に繋がっているのだと感じました。またセントーサ島内にあるイメージ・オブ・シンガポールでは30分程のアトラクションでシンガポールの歴史を追体験でき、観光客が楽しみながらシンガポールへの理解を深められる工夫がなされていました。
午後には、リトルインディアの街を歩いて見学したのちアラブストリートにあるサルタンモスクの内部に入場しました。日本人のムスリムの方とお話することができ、公営住宅にはお祈りや結婚式を行えるスペースがあるなど、ムスリムの方にも暮らしやすい環境が整っていることを伺いました(写真:サルタンモスクにて)。
その後は、シンガポール国立博物館を見学しました。イギリス統治時代以前から日本の植民地時代、そして多民族国家としての独立後までが実際の映像や資料、再現セットなど、イメージ・オブ・シンガポールとは異なる展示方法で紹介されており、同じ歴史を学ぶ施設であっても、全く違う印象を受けました。
視察日最終日です。
午前中は保健省を訪問しました。保健省では、シンガポールの高齢化政策について担当の方にプレゼンテーションしていただきました。日本と同じように高齢化が進む中で、どのようにして対策を行っているのか、また、保健省としての具体的な役割や、担い手不足についてお話しいただき、新たな発想を培うことができました(写真:保健省にて)。
午後は、カンポン・アドミラリティを訪問し、住宅開発庁の担当の方と一緒に歩きながら説明を受けました。カンポン・アドミラリティは55歳以上の方を対象として入居できる公営住宅です。住宅に直結する棟には、介護ケアセンターや、保育所、フードコートなど様々な施設が入っており、コミュニティ形成の観点から、若い世代にも訪れてもらえるような工夫がなされていました。
夕方、全員元気に帰国しました。
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政策経営部人事課人材育成担当
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