更新日:2022年1月27日
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河川・湖沼・海などには本来、自浄作用があります。しかし、工場、事業場の排水や家庭排水などが流入すると、自浄作用の限界を超え、水は汚れたままとなります。このような状態になることを「水質汚濁」といいます。
水質汚濁がひどくなると、水辺の創り出す落ち着いた景観が失われるだけでなく、悪臭が発生したり、ときには魚が死んで浮上するなどの事故が起こることもあります。
また、湖沼や流れの滞留する湾などでは、排水が流れ込むと、そこに含まれるリン・窒素などを栄養源として植物プランクトンや藻などが異常に繁殖し、アオコや赤潮が発生することもあります。
水質汚濁を示す指標は数多くありますが、河川では主にBODを指標としています。
環境基準は、河川の利用目的の適応性によりAAからEまでの6つの類型があります。平成9年度に類型の見直しがあり、神田川はD類型からより厳しい環境基準であるC類型に変わりました。区内には、神田川のほかにも日本橋川と、皇居をとりまく内濠・外濠があります。千代田区では、これらの水域の水質調査を定期的に実施しています。
詳しくは、千代田区の環境(大気汚染・騒音振動・水質汚濁・環境測定資料集)をご覧ください。
水域類型 |
水素イオン濃度(pH) |
生物化学的酸素要求量(BOD) |
浮遊物質量(SS) |
溶存酸素量(DO) |
---|---|---|---|---|
C |
6.5以上 8.5以下 |
5mg/l以下 |
50mg/l以下 |
5mg/l以上 |
D |
6.0以上 8.5以下 |
8mg/l以下 |
100mg/l以下 |
2mg/l以上 |
神田川は、三鷹市にある井の頭公園を水源地とし、当区を東西に流れ、隅田川に注いでいる河川です。日本橋川は、小石川橋下流で神田川から分流し、日本橋を経て隅田川に注いでいる河川です。両河川とも当区内は河口に近いため、全域が感潮域です。また、河川上には首都高速道路が走り日影になりやすく、さらに高い護岸が親しみを失わせています。
千代田区内の河川水量の9割以上は、落合下水処理場・中野下水処理場の処理水で占められています。これらの処理水については、昭和62年に落合下水処理場で高度処理施設(砂ろ過施設)が導入され、さらに平成7年には中野下水処理場が一部稼働したため、透視度やBODなど水質が改善されてきました。
通常の水質は向上してきていますが、降雨時には一時的に溶存酸素が不足し、魚が浮上死したりします。
また、河川勾配が極めて小さく、流速が遅いために水が淀みがちで、川底にヘドロが堆積し易くなっています。春から夏にかけてはそこからスカム(浮遊汚泥)やガスの発生があり、悪臭を放ち水質に悪影響を及ぼすなど、時として水質が悪くなることもあります。
このため、降雨時におけるオーバーフロー水の抑制、底に溜まったヘドロの浚渫、下水処理場の負荷軽減などが必要です。
濠の水源は、雨水とわずかな湧水などです。そのため、アオコの発生や水量の減少が問題となっています。
環境省では内濠の水質改善のため、平成7年5月に、ろ過装置を稼働し、水質が向上しました。
これからは、水辺環境について、安らぎや親しみを考慮して行く必要があります。
お問い合わせ
環境まちづくり部環境政策課公害指導係
〒102-8688 東京都千代田区九段南1-2-1
電話番号:03-5211-4254
ファクス:03-3264-8956
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