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更新日:2025年11月19日

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令和7年第4回区議会定例会区長招集挨拶

令和7年第4回区議会定例会の開会に当たり、私の区政運営における所信を申し上げます。

1 投機目的でのマンション取引等に関する要請について

はじめに、投機目的でのマンション取引等に関する要請について申し上げます。

先の第3回区議会定例会でも申し上げましたとおり、令和7年7月18日、一般社団法人不動産協会に対して、千代田区内の投機目的でのマンション取引等に関する要請を行いました。

要請以降、様々な媒体で本区の取り組みが取り上げられたことで、不動産協会も投機的な動きを認め、国の調査結果を踏まえ、投機的な短期売買の抑制を発信するという方向を示しました。また、一部ディベロッパーでは、転売を抑制するため、建物の引渡し前の転売活動は契約解除とする等の動きも見られます。今後も不動産業界の検討や対策について注視しつつ、事業者と連携し、投機目的での購入抑制を進めてまいります。

国においても、登記簿による実態調査を進めているほか、国外からの取得を含めたマンション取引等について、来年1月に改定予定の「外国人材の受け入れ・共生のための総合的対応策」において考え方や方向性を示すと聞いております。こうした国の動向を注視するとともに、同様の問題を抱える他自治体とも問題を共有し、今後も様々な角度から有効な手立てを、緩めることなく打ち出していきたいと考えています。

また、マンション価格の高騰対策として、手ごろな家賃で居住することができる住戸の確保を目指し、来年度に向けて区内賃貸マンション等の空き家の実態把握のため、事前調査に着手しました。今後、調査結果を踏まえ、効果的な空き家の活用を図ってまいります。

2 民泊制度について

マンション取引等に関する要請を行った趣旨は、住みたい人が住める街を守るということでありましたが、住める街と言えるためには、良好な生活環境の確保が重要な課題です。この点については、このところ問題となっているのが、マンションの一室や築古のビルが、民泊や旅館として利用されることに伴う、生活環境の悪化です。

民泊制度は、観光振興と空き家活用を目的として平成30年に創設されました。民泊制度により、戸建て住宅やマンションの一室等、様々な形態での宿泊施設の運営が可能となり、新たな宿泊需要に対応できるようになりましたが、同時に地域住民の生活環境を守る必要があり、施設の管理方法や安全確保、営業日数に一定の基準と制限を設ける等しています。

しかし、近年のインバウンド需要の高まりに伴い、都市部の自治体では、民泊等の小規模な宿泊施設の顕著な増加が見られています。特に住宅地内の施設では、無人で営業し宿泊者の安全確保ができない施設や、夜間の騒音やごみ問題等が発生する施設があり、周辺住民から生活環境の悪化を懸念する声が多数寄せられています。また、ビルやマンション全体を民泊化する事例、投資目的での運営も社会問題化しており、規制強化を検討する自治体もみられます。

本区においても宿泊施設数は増加傾向にあり、特に小規模な施設で適切な運営がなされていない事例が見受けられます。

本区では、制度開始当初から都心区特有の立地や地域性を踏まえ、生活環境が脅かされることがないよう、条例により宿泊施設の構造や運営に関する規制を設け、地域と宿泊者の安全確保に努めてきました。

また施設に対しては、夜間も含め監視指導を行い、不適切な運営の是正や違法施設の営業中止、是正を指導しています。

しかし、小規模宿泊施設の中には度重なる指導にも従わないものがあり、違法民泊や無許可旅館では、営業者の特定が困難なため指導に難渋するケースも存在します。

こうした状況を踏まえ、今後の事態の悪化を未然に防ぐため、現在条例改正を含む対応策を検討しており、具体的な対応策についてしかるべき時期に区議会にお示ししてまいります。

3 公園づくりの取り組みについて

次に、公園づくりの取り組みについて申し上げます。

良好な生活環境を確保するという観点からは、公園の整備もまた不可欠です。

本区では、公園整備および維持管理に関する方向性を示す「千代田区公園づくり基本方針」を、本年3月、20年ぶりに改定しましたが、このたび、2025年度のグッドデザイン賞金賞を受賞しました。本年応募5,225件のうち金賞は19件であり、行政計画が選ばれるのは極めて異例とのことで、大変栄誉なことと感じております。

これまでは多くの公園が画一的であり、手持ち花火やボール遊び等禁止事項に縛られていましたが、約1万人もの方々からご意見をいただき、多様で様々なニーズを受け止める寛容な公園に向けて、「できることを増やす場」へと転換を果たすべく努めてまいりました。そのような考え方が高く評価されたものと考えております。

また、子どもたちが安心して利用できるよう、遊具利用の安全管理も重要です。遊具点検マニュアルに沿った定期的な保守管理の徹底等、公園の安全性確保に向けた取り組みを進めてまいります。

本方針では、千代田区の公園がすべての人にとって、身近で安心できる場所になってほしいという願いを込め、「千代田の歴史を継承し 次世代を育む 居心地よいコモンスペースを目指して」という基本理念を掲げております。そのためには、公園利用者の規範意識を醸成し、互いに尊重し合いながら利用できるような取り組みを進めていくことも必要です。みなさまにとってより良い公共空間を今後も都心千代田から積極的につくってまいりたいと思います。

4 中高生の居場所づくりについて

次に、中高生の居場所づくりについて申し上げます。

子どもの居場所としては、家庭や学校のほかに安心できる場所、ホッとできる場所等、多様な居場所へのニーズが高まっています。本区が今年7月にかけて行った子ども向けのアンケート調査や8月に開催したワークショップでは、子どもが求める居場所として、「静かに勉強できる場所」、「スポーツや運動ができる場所」、「友達と勉強や休憩ができる場所」等が挙げられていますが、「十分に居場所がある」と答えた子どもの割合は年齢が上がるにつれて減少し、中学生・高校生では3割程度にとどまっています。

こうしたことから、中高生向けの居場所づくりを検討しており、先ずは試行的な施設の整備や、施設の利用者から意見をお聞きするための仕組みづくり等について、今後取り組んでまいります。

5 個性ある地域の産業振興とまちづくりについて

次に、個性ある地域の産業振興とまちづくりについて申し上げます。

本区は、江戸城を都市のルーツとし、明治期以降、高等教育・研究機関の集積により、文字・活字文化の中心地である本の街・神保町、音楽・楽器の街・お茶の水、スポーツ用品の街・小川町等、特色ある商業文化を継承してまいりました。

さらに、秋葉原は、電気部品や家電、オーディオ、パソコン、そしてポップカルチャーに至るまで、時代の最先端を発信し続け、専門性の高い商業地として発展してきた歴史があります。

中でも、神保町が英国のタイムアウト誌において「世界で最もクールな街」第1位に選ばれたことは記憶に新しく、本区の文化的価値が国際的にも高く評価されている証左であります。こうした産業の発展とともに形成された個性豊かなまちなみは、区民の皆様をはじめ、通勤・通学で本区に関わる多くの方々にとって、愛着と誇りの源となっております。

一方で、神保町や秋葉原では、インバウンド観光客の急増や賃料の上昇に加え、ウォーカブルな街づくりへの要望や都市のスマート化への期待等、新たな課題にも直面しております。しかしながら、従来の商業振興や都市づくりにおける画一的な制度のみでは、こうした多様な課題に柔軟かつ迅速に対応することは困難であるとも認識しております。

このため、現在神保町においては、東京都と連携を図りながら、地区計画の見直しや駐車場設置義務の緩和といった都市計画上の対応に加えて、商店街との連携による景観の維持・向上に向けた検討を進めております。このように、地域課題の解決には、産業振興とまちづくりが一体となった取り組みが不可欠であります。

また、秋葉原においては、これまで培われてきた街の専門性を活かし、先端技術の導入による安全・安心なまちづくり、新たな製品・サービスの創出、さらには文化の発信拠点としての魅力を一層高めるため、クリエイターの集積や異業種との融合の促進などに向け検討を深めてまいります。

こうした取り組みを通じて、地域の賑わいと高い安全性の両立を実現し、持続可能な都市の姿を描いてまいります。その実現には、区議会はもとより、地域の皆様、事業者、関係機関等多様な主体との連携・協働が必要であります。今後も、共に知恵を出し合いながら、特色ある地域産業と魅力あるまちづくりを一層推進してまいります。

6 情報リテラシーに関する取り組みについて

次に情報リテラシーに関する取り組みについて申し上げます。

近年、SNSの普及により、誰もが容易に情報を発信し、時間や場所を問わず人と人がつながることが可能となりました。さらに、AI技術の急速な進化により、閲覧履歴やユーザーの情報を基に最適な情報が届く等、人々の生活の利便性は飛躍的に向上しています。

一方で、フェイクニュースや誤情報の拡散、エコーチェンバーやフィルターバブルといった問題も顕在化し、時に、誤った情報や偽の情報で怒りや憎しみを増大させ、社会に混乱や分断をもたらしています。SNSだけでなく、インターネットやテレビ、新聞、書籍等、膨大な情報が溢れる現代において、誤った情報に惑わされず、正確な情報を見極める力――すなわち「情報リテラシー」を高めることが不可欠です。

区ではこうした認識を早くから持ち、今年7月からは区市町村では初めて、学識経験者、メディア、ファクトチェック団体等多様な分野の皆様のご協力を得て、「情報リテラシーに関する意見交換会」を設置しています。直近では一昨日にも会を開き、今後の取り組みに関する貴重なご意見をいただいたところです。

意見交換会では、SNSによる情報発信を否定するのではなく、区民一人ひとりが情報を読み解く力を身につける重要性、そのための幅広い年代への普及啓発の必要性、あるいは、情報の発信者を確認することの重要性と、インターネット上の情報の作成者・発信者をユーザーが確認するためのデジタル技術である「オリジネータープロファイル」の必要性等について議論されました。

今後、区としては、「区民一人ひとりの高い情報リテラシー」と「区に関する情報が迅速かつ確実に届く」という二つの視点から、意見交換会のほか、他団体の取り組みや社会動向を踏まえ、区議会の皆様とも議論を重ねながら、具体的な施策を検討し、着実に展開してまいります。

7 デジタル化の取り組みについて

次に、基幹業務システムの統一・標準化及びガバメントクラウドへの移行について申し上げます。

住民基本台帳や税等自治体の基幹業務に用いるシステムは、長年にわたり、それぞれの自治体が独自に構築してきました。このため、各自治体では、制度改正等の度に個別の改修が必要となり、大きな負担を強いられてきた実態がありました。

こうした課題を抜本的に解決するため、国は、令和7年度を目途に、全国の自治体で基幹業務システムの標準化とガバメントクラウドの活用を進める方針を示しました。共通の仕組みを導入することで、人的・財政的負担を大幅に軽減し、自治体が本来注力すべき地域特性に応じた住民サービスの質的向上、新たなサービスの迅速な展開を可能にすることを目指すものであります。

本区は、こうした国の動きに呼応して、令和3年度から標準化に着手し、令和6年度に国より早期移行団体に選定され、当初の予定通り令和7年度中の全面移行を目指して、準備の最終段階にあります。各種テストや研修期間を十分に確保しながら、円滑な移行と安定稼働を実現してまいります。

さらに、標準化等の取り組みと連動して、国主導による公共サービスメッシュやPMH(パブリック・メディカル・ハブ)等、幅広い基盤との情報連携の検討も進められています。個人情報保護には十分留意しつつ、標準化されたデータの連携・利活用が一層推進されることで、個人に最適化された行政サービスの提供や、一度提出した情報を何度も提出する必要のない「ワンスオンリー」が可能となる等、区民サービスの質の向上に直結する取り組みの実現が期待できます。

引き続きゼロトラストセキュリティの考え方を踏まえた多層的な情報保護対策の徹底と職員のセキュリティ意識の向上に努めながら、適切なデータの活用を進めてまいります。

基幹システムの標準化の取り組みとデータ利活用は、行政サービスの革新と持続可能な行財政運営を実現させる鍵となる取り組みです。今後、標準化されたシステムを最大限に活用するとともに、公共サービスメッシュ、PMH等の基盤整備状況に関する国の動向を注視しながら、デジタルの力をさらなる区民サービスの向上につなげてまいります。

8 議案について

最後に、今回提案いたしました諸議案について申し上げます。

予算案件といたしまして、令和7年度一般会計補正予算第3号の1件、条例案件といたしまして、条例の一部を改正するもの6件、契約案件といたしまして、旧区立練成中学校改修機械設備工事請負契約について、千代田区役所7・8・9・10階他照明設備改修工事請負契約について、オフィスレイアウト変更に伴う什器類の購入についての計3件であります。

また、報告案件といたしまして、損害賠償請求事件に関し専決処分により和解した件についての1件であります。

何とぞ、慎重なご審議の上、原案どおりご議決を賜りますようお願い申し上げます。

以上をもちまして、令和7年第4回区議会定例会の開会のご挨拶といたします。

よろしくお願いいたします。

【用語説明】

  • 公共サービスメッシュ
    行政が持つデータの活用・連携を迅速にするための情報連携基盤です。公共サービスメッシュにより、行政が持つデータを活用・連携することで、住民サービス体験のさらなる向上や、自治体職員の業務の効率化・負担軽減を目指します。
  • PMH(パブリック・メディカル・ハブ)
    自治体・医療機関等をつなぐ情報連携システムのこと。デジタル庁では、関係省庁と連携し、医療費助成、予防接種、母子保健等領域におけるマイナンバーカードを活用したデジタル化の取り組みを推進しています。
  • ゼロトラストセキュリティ
    「誰も信用しない」を前提に、すべてのアクセスや通信を常に検証・監視することで、情報資産を守る最新のセキュリティモデルです。

令和7年11月19日 千代田区長 樋口 高顕

(注意) 本文は、口述筆記ではありませんので、表現その他若干の変更があることがあります。

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