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更新日:2014年11月11日

町名由来板:永田町二丁目(ながたちょうにちょうめ)

地図

  • 設置年月日:平成17年2月27日
  • 所在地:永田町二丁目10番

町名由来板

立法の府・国会議事堂を背に山王(さんのう)坂を下ったこのあたりが永田町二丁目になります。左手方面には平成十四年(2002年)完成の首相官邸が立ち、隣接する旧官邸は公邸として激動の七十三年の歴史を語りつぐ役割をになっています。正面の星(ほし)が岡(おか)の高台には緑ゆたかな日枝(ひえ)神社の杜(もり)があります。戦火をまぬがれた大銀杏(おおいちょう)と鳥居をくぐり、表参道である山王男坂を上がると荘厳な社殿がむかえてくれます。切り通しを経て立つ日比谷(ひびや)高校は、東京府立第一中学校時代の昭和四年(1929年)に日比谷から移転し、発祥地の名を継承しています。
かつて住宅地と商店街、高級料亭が点在した永田町は、太平洋戦争末期の昭和二十年(1945年)、木造建築物の強制撤去と五月の空襲で、わずかに官邸、永田小学校、一中の講堂、山の茶屋を残してことごとく焼失。あたりの様相は一変して、終戦をむかえました。
昭和三十三年(1958年)、日枝神社の社殿が完成し、町に復興のきざしがみえてきました。二・二六事件(昭和十一年、1936年)の舞台にもなった山王ホテルは戦後、駐留軍施設から四十四階建ての山王パークタワーとなりました。料亭「幸楽」は、ホテルニュージャパンとして復活し、さらにホテルが火災によって焼失したあとは、三十八階建てのプルデンシャルタワーになるなど、超高層ビルが立ち並ぶようになったのです。
また、陶芸家の北大路魯山人(きたおおじろさんじん)で有名な星岡茶寮(ほしがおかさりょう)は、昭和三十八年(1963年)東京ヒルトンホテル(現・キャピトル東急ホテル)に、歌舞伎俳優・初代市川猿之助(いちかわえんのすけ)や戦後の名優・長谷川一夫(はせがわかずお)の住居跡も高級マンションに変わりました。歴史と文化をはぐくんだこの町も、いまでは地下鉄六線が乗り入れ、政府機関やオフィスが立ち並ぶ繁華な商業地へと変貌(へんぼう)しつつあります。

平成17年2月 永田町二丁目町会

永田町二丁目と日枝神社

この界隈(かいわい)は、かつては頭上をツバメが飛び交い、水辺では蟹(かに)をとることもできたそうで、風がすがすがしくわたる自然あふれる土地でした。江戸時代初期には近くに馬場(ばば)がありました。その道筋に永田(ながた)姓の旗本(はたもと)の屋敷が並んでいたため「永田馬場」と呼ばれ、これが町名の由来になっています。
万治(まんじ)二年(1659年)、山王権現(さんのうごんげん)(今の日枝(ひえ)神社)が半蔵御門外からここに移され鎮守(ちんじゅ)の森となりました。この森には溜池(ためいけ)があり、玉川上水(たまがわじょうすい)を引く前には江戸の水道の水源にもなっていました。権現様の森に守られ、夏は溜池の水で水遊び。旗本屋敷の庭園の緑が照り映え、茶屋が点在する――ここは、江戸のオアシスだったのです。
しかし静寂なだけではありません。神田明神(かんだみょうじん)と交替で隔年六月におこなわれる山王権現の本祭は、江戸時代より将軍の上覧に供する天下祭、御用祭で、じつに豪勢なものでした。行列には山車(だし)や曳物(ひきもの)、練物(ねりもの)、お囃子(はやし)、踊りが出て、人々の装束(しょうぞく)も華麗でした。とくに大きな象の作り物をともなった朝鮮通信使(つうしんし)来朝の練物は、江戸時代に有名でした。見物も店の前に桟敷(さじき)を作り、欄干(らんかん)をつけ、緋毛氈(ひもうせん)を敷き、金屏風(きんびょうぶ)や名流百家の手になる衝立(ついたて)を立てたというのですから、さながら美術展です。
仏教と神道が合体した山王権現を、江戸の人たちは「山王様」と呼んで親しんでいました。その後明治政府は仏教を分離し、国家神道に組み込んで「日枝神社」としました。私はこの前を通るたびに、自然を守り、争いのない時代の権現様のいた場所として、これからは戦争のためではなく平和のためにこの地がありますようにと、心の中で山王様に手を合わせています。

法政大学教授 田中優子

お問い合わせ

地域振興部コミュニティ総務課コミュニティ係

〒102-8688 東京都千代田区九段南1-2-1

電話番号:03-5211-4180

ファクス:03-3264-7989

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